サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビューミーハーと思想が入り混じる「nina’s」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」5月号 AMOとサトエリの妊婦インタビューでわかった、思想とミーハーの交差点「nina’s」の醍醐味 2015/04/19 16:00 女性誌速攻レビューnina's ママタレ陣やモデルたちが100均やH&M、Forever21などのファストファッションブランドなど無難なアイテムを紹介する中、1人異彩を放つのが、人気読者のママです。「IKEAの子ども用マーケットスタンド」「FLYING TIGER COPENHAGENのハンガーラック」「WECKのガラス瓶&中蓋」など、そのセンスを仕上げてきてます。「庭で取れたレモンを蜂蜜漬けにして保存」などコメントも完璧。さらに「スーパーで購入したお花紙」(折り紙より大きくて柔らかいので、子どもたちが切ったり貼ったりして遊ぶのに最適とのこと)で心地よくハズしつつ、「100均のグルーガン&グルースティック。クリスマス用のリースを作るときや、子どもたちと一緒に木材をくっつけて工作をするときなど、いろんな場面で大活躍」と、全てがナチュラルでクリエイティブな暮らしの証左となっております。すごい。西山茉希オススメの「100円ショップのヘアゴム」とはえらい違い。ママタレたちにもこれくらい「nina’s」のオシャレ魂が注入されたグッズを紹介してもらいたいものですよ! しかしそんな西山の「自分にとって価値あるプチプラを見極めるのが大切」という一言に、プチプラは見極められても、夫を見極めるのは難儀なんだな……と、しみじみと感じ入ってしまった次第です。 ■ネットなら炎上案件な2人 今号には、ちょっと対照的な2人の妊婦が登場しています。1人は「青文字系雑誌を代表する人気モデル」であるAMO。去年、バンド「THE BAWDIES」のベース&ヴォーカル・ROYと結婚、現在は妊娠7カ月なのだとか。THE BAWDIESにROYにAMO……あぁアルファベット地獄。 「妊娠がわかったときにはうれしさのあまり大泣きしてしまった」というAMO。さらに「検診のたびに確実に成長していることを確認して、私が思っている以上に赤ちゃんにはちゃんと生きる力があるんだって思うたびに感動して泣いてしまったりするんですよね」と、織田信成もビックリの涙出っ放し状態です。「ガーリー好きな女子の憧れの的でカリスマ的人気を誇る」AMOは、マタニティライフもふんわりオシャレで女子感モリモリ。スキンケアは自然派で、母子手帳ケースはCath Kidston。自然派信仰とミーハー心が混然一体となっているあたり、「nina’s」とすごく相性が良さそうです。「出産後はしばらく行けないだろうということで、結婚記念日にミラコスタにお泊まりして、2日間ディズニーリゾートで遊ぶことを主人が計画してくれました」。“妊婦とディズニーリゾート”というインターネット積年の火種をさらっと夫婦愛に仕立て上げるところなど、ゾクゾクしますね。 さて、もう1人はタレントの佐藤江梨子です。現在妊娠6カ月。夫なる人物は元カレ・市川海老蔵のスタッフで、小雪の姉・弥生の元夫という、いかにも奔放なバディで気ままな性格のサトエリらしいセレクト。「最近はプールに通い始めて、ウォーキングも毎日してますよ。英語も習っているんですが、あえて少し遠い教室を選んで、帰りは4駅分歩くこともあります。あとは、料理教室にも通おうかなぁと思っているところ」。4駅分……東海道線でいったら東京→横浜ですよ。飛脚か!! 過去の“エモーショナル”な言動から精神が不安定といったイメージが強いサトエリですが、「健康な子どもを産むには、まずは自分の心も体も健康でいたい。守るものができて、そのために生きたいって強く思うようになりました。人生でこんな気持ちになったのは初めてかも(笑)」と、意識の高さに危うさを感じてしまうのは、筆者のいらぬお節介でしょうか。そしてこの一文。「子どもから『お母さんと結婚したい!』と言われたいんです! 友人の子どもがお母さんを取り合っている姿を見て、うらやましいなと思っていて。それぐらい子どもから私を必要だと思ってくれるようになれたら幸せですね」。サトエリが姑って、泉ピン子が姑より数倍恐ろしそうじゃないですか! 嫁への憎悪をポエムにしてSNSに投稿しそう! その愛の深さ故、ベクトルが間違うと大変なことになりがちなサトエリですが、とにかく今は幸せそうで安心しました。 “妊婦のうちにディズニーランド”と“健康のために4駅分歩く”。思想とミーハーの交差点こそ「nina’s」なのだとあらためて痛感した、この2人のインタビュー。妊娠中の特殊な精神状態はときに“お花畑脳”などと揶揄されますが、出産及び母になることへの過大な期待、命を預かることへの不安やストレスなどを考えたら“お花畑脳”も自然なことなのかもしれません。そういったものをひっくるめて「おしゃれマタニティLIFE」と処理する「nina’s」。そんなテキトーさに救われている妊婦さんも少なくないのでは。 (西澤千央) 前のページ12 最終更新:2015/04/19 16:00 Amazon nina's(ニナーズ) 2015年 05 月号 [雑誌] オシャレでもほっこりでもない、サトエリの「エモーショナルな感じ」! 関連記事 冷えとり、マクロビ、ツボ押し……「nina’s」のトンデモナチュラルな“2人目妊活”日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ深刻な相談なのに、答えがポップすぎる「nina’s」の産後クライシス企画「nina’s」入園入学手作りグッズ企画に見る、手作り=母性という強迫観念自ら“おしゃれ業界ママ”と言ってしまう「nina’s」の自家発電ぶり 次の記事 コスメ市場から読み解く次のニーズ >