サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー解決策がポップな「nina's」の産後クライシス カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」3月号 深刻な相談なのに、答えがポップすぎる「nina’s」の産後クライシス企画 2014/03/05 21:00 女性誌速攻レビューnina's 「nina’s」2014年3月号(祥伝社) 隔月発行のママ雑誌「nina’s」(祥伝社)、今号はいろいろと動きがあります。まずは、優木まおみが新連載を始めました。謎のウェディングブック発売に、妊婦ビキニ……やることなすこと香ばしい勘違い妊婦界のトップランナーが、早くもママタレとして「nina’s」を本拠地に設定した模様です。題して「優木まおみのママ修行中!」。子どもができてからの悩みや不安を専門家に聞くという毒にも薬にもならない企画ですが、「私は、教育を親が与えるっていう発想ではないんです。あれこれ与えれば子どもが吸収するっていうのは違うかなと思っていて」と随所にまおみイズムもちりばめられていますゆえ、アツくなりたい方はご一読を。 しかし、「オシャレでクリエイティブなママ」と誌面のあちこちで謳いながら、表紙は小倉のゆうこりんだし優木まおみが連載だしインタビューは小森純だしモデルは東原亜希だしMEGUMIだし。こうしてますます「nina’s」のオシャレ観は混迷を極めるのでありました。 <トピックス> ◎優木まおみのママ修行中! ◎SCOOP! 最新“ママ会”トピック100 ◎産後クライシスをやっつけろ!! ■あなたの微妙を受け入れるから、わたしの微妙も受け入れて! ちなみに小森純はおなかにいる赤ちゃんに向けて、いつもお手紙を書いているそうです。飽和状態のママタレ界にいかにして食い込むか、妊婦タレントたちの前のめりな様子が伝わってきます。ママタレになったら子ども服をプロデュースしたり育児本を書いたりブログで健康食品のステマをしたりしなければなりませんから、今のうちにコツコツと信者を獲得する必要があります。そしてその信者獲得にもってこいなのが、ここ「nina’s」なのです。 「nina’s」の読者はたぶん、“オシャレなママ”というより“オシャレにあこがれているママ”。今がオシャレっぽいなら、過去に巨乳で稼いでいようが、違う星から来ていようが、ペニーなオークションをしていようが、あまり拒否反応は示さないようです。オシャレ共同体意識が強いから、「今はママとして育児とオシャレをがんばってるんだからいいじゃない!」と擁護してくれそう。「nina’s」ママのそんなオシャレ共同体意識が垣間見えるのが、「おうちで、おそとで。最新“ママ会”トピック100」。読者ママたちはどんなふうに集まって遊んでいるのか、100のママ会を紹介するという企画です。 「ニナmamaたちがどんな風に遊んでいるのかを、大調査! 子どもと行けるお店から、自宅での遊び方まで、ママ会だから楽しめるトピックをいざ、100本ノック!!」とのことで、今までオシャレママとかクリエイティブママとかふんわりとした呼び名しかなかった「nina’s」読者が、いつのまにやら「ニナmama」と呼ばれていてビックリ。こういうのも、読者の囲い込みの1つでしょうね。 さて気になる中身、まずは「憧れママ代表の」東原亜希が登場。添加物を一切使わないケータリングの料理をつまむママ会、添加物を一切使わない農園レストランでのママ会など、とにかく添加物を一切使わない会が紹介されています。次ページにはMEGUMIが「野外ロックフェスママ会」を、小倉優子が「手作りお子様ランチでおもてなしママ会」を、ファンタジスタさくらだが「ラジウム温泉で癒されながらママ会」を、それぞれ鼻の穴全開でオススメしています。さらに読者から寄せられる、無添加でオーガニックでものづくりなママ会の数々……すごいです、この企画! 全編「ふーん」しか言えない! ママ会に投影される、激しい自我。そしてこれらオシャレなママ会に参加すれば認められるオシャレ同盟。これで今日から貴女もオシャレママの仲間入りというわけです。 このようなオシャレ・ロンダリングが日々行われている「nina’s」。オシャレママ会は、いわば兄弟の盃のようなもの。正直微妙なママタレがなぜ「nina’s」では受け入れられているのかといえば、正直微妙な自分のことも受け入れてほしいから。それは同盟関係なのです。 12次のページ Amazon nina's (ニナーズ) 2014年 03月号 [雑誌] 関連記事 "育児をクリエイト"したがるパパだらけ! 「nina's」から漂う新たな臭み「うちらの趣味を押し付けていこうかな」、オシャレ子育て誌「nina's」のポップな自我出産はクリエイティブ! 子育てよりも出産賛美のスピ系主婦雑誌「nina's」不便な住まいと過度なご近所付き合い……「nina’s」のオシャレな暮らしはハードル高め!「nina’s」に漂う、“手間暇をかけた暮らしこそ幸せのカタチ”という強迫観念