サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「steady.」が物語るアラサーの負い目 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「steady.」10月号 アラサーのくせに独身子なし……「steady.」ファッションの根底にある“負い目”の正体 2014/09/24 21:00 女性誌速攻レビューsteady. 「steady.」2014年10月号(宝島社) 筆者は「steady.」(宝島社)のレビューと同時に、毎号「VERY」(光文社)について書いています。「VERY」は自信満々の既婚女性、「steady.」は自信なさげのアラサー独身女性と、まるで正反対な読者を想像させる2誌ですが、「steady.」を読んでいると、ついつい「この企画がもし『VERY』に載ったらどんな構成になるだろう?」と考えてしまうのです。真逆の雑誌と比べることで、「steady.」らしさが浮き彫りになってくるのです。今月の「steady.」の第1特集は、「365days長く使える服」。果たしてどんな内容になっているのでしょうか。 <トピック> ◎365days長く使える服 ◎私たちに足りないもの何ですか? ◎“2個持ち”前提で考える最新ミニバッグ ■“忙しい女”がもてはやされるワケ 「365days長く使える服」は、長く着られる賢い服の選び方や着こなしを指南する企画です。「私たちの一年は365日。その中でお仕事したり、おしゃれしたり、恋愛したりと大忙し!時間だって、お金だって限りがあるもの」という説明文があります。とにかく、女性誌が提唱する女性というのは、忙しくないといけないものです。忙しくないと、「誰からも必要とされてない」女性に映ってしまうから。上司、後輩、友人、彼氏からひっぱりだこで、いつもスケジュールがいっぱいでないと、素敵な女性ではないという思想が見て取れます。 そして、もしもこの特集が「VERY」だったらどうなるかも考えてみましょう。きっと「私たちの一年は365日。その中で子育てしたり、家事をしたり、お仕事したりと大忙し!」となるはず。「唯一無二の家族のために忙しい私」を全面にアピールしてくると思います。そう考えると、なんとなく「steady.」は分が悪い。仕事にせよ、友人・恋人関係にせよ、そこで生まれる忙しさは、どこか「自分のため」であるからです。いくら女性の生き方が多様化したといっても、「結婚して、子どもを生む」というライフコースこそ正しいと思い込んでいるアラサー独身女性にとっては、「アラサーになっても、自分のため」というのはカッコ悪いことという共通認識があるのかもしれません。 「steady.」が、いつも全方位にウケる服を紹介しているのもそのためでしょう。自分のためではなく、彼氏に好かれるため、上司に気に入られるため、同僚に嫌われないため、お局様に怒られないため……そんなファッションの紹介され方の根底には、「自分のためだけに生きている」ことへの負い目があるのではないでしょうか。そんな「私は私のためにオシャレをする」と言えないアラサー独身女性に向けて、「steady.」の読み物ページは、いつか誰かのために生きられるためにはどうすべきかという企画を用意しています。今現在の自分自身には満足していないけれど、いつかよき妻、よき母になるという夢を捨てていない姿勢を見せているわけです。 12次のページ 関連記事 「女子アナで親が高橋英樹」を人生のデメリットとして語る、高橋真麻と「steady.」の親和性「結婚していただく」という価値観から脱せない? 「steady.」読者の苦々しい結婚観「steady.」読者を結婚から遠ざける、「男を追い詰めるべからず」という教訓 【ジャニーズ情報専用】Twitterアカウント「J担しぃちゃん」オープン! Amazon 『Steady.(ステディ)2014年 10月号 [雑誌]』 己の欲望の赴くまま、ジャニーズにハマると楽になれるよ