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値段が高すぎるとの声も……【松屋】1,390円チャーシューエッグ丼、実食して残念な気持ちになったワケ

2024/08/22 15:30
阿左美賢治(ライター)
「松屋」の看板(写真:サイゾーウーマン)

 チャーシューの上に目玉焼きを乗せた、シンプルながらもご飯が進むメニュー「チャーシューエッグ」。近頃様々なチェーン店が提供し、人気を集めるこのメニューを、牛丼御三家の一角である「松屋」も13日から「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」として提供を開始しましたが、かなり強気な価格設定が話題を呼んでいます。そんな同メニューをグルメライターが店舗を訪れ、実食してきました。

目次

「チャーシューエッグ定食」チェーン店の人気メニューに成長中
【松屋】1,390円「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」、値段が高すぎるという声も
1,390円「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」実食!
そのまま食べると塩気が強い!
「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」来年に期待のワケ

「チャーシューエッグ定食」チェーン店の人気メニューに成長中

「松屋」の外観。今回訪れたのは姉妹ブランドであるとんかつチェーン「松のや」のメニューも提供している店舗(写真:サイゾーウーマン)

 チャーシューに目玉焼きを乗せた「チャーシューエッグ」。一説には、愛媛県今治市にあった中華料理店のまかないとして作られ、現在も現地のB級グルメとして愛されているB級グルメ「焼豚玉子飯」を発祥とするとも言われているこのメニュー。

 以前より一部の定食屋や、いわゆる“町中華”と呼ばれるような中華料理店などで提供され、コアな人気を集めてきました。筆者もかつて会社員として都内で働いていた頃には、かつての築地市場に「とんかつ八千代」「小田保」(現在はともに豊洲へと移転、「小田保」は現在も築地場外に店舗あり)というチャーシューエッグを提供する名店が2つあったことから、時折その味を楽しんでいた記憶があります。

 近年、そんなチャーシューエッグをチェーン店が提供することが多くなり、にわかに注目を集めつつあるようです。

 「大阪王将」などで知られるイートアンドホールディングス系列で、「横濱 一品香」などを運営する株式会社一品香が2020年に東京都千代田区にオープンした「新御茶ノ水 萬龍」では、「チャーシューエッグ」(825円、税込み/以下同)を看板メニューのひとつとして掲げ、行列ができるほどの人気を獲得。

 さらに、今年の4月には「かつや」などで知られるアークランドサービスホールディングス系列で、株式会社トビラダイニングが運営する「肉めし 岡もと」が「チャーシューエッグ定食」(1089円)を期間限定メニューとして提供したところ、各メディアに取り上げられるなど、こちらも人気を集めることになりました。

 その影響か、同チェーンでは現在も「チャーシューエッグ定食」の提供を続けており、メニュー表には「一番人気」と銘打たれているような状況となっています。

【松屋】1,390円「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」、値段が高すぎるという声も

店舗の壁には「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」を宣伝する垂れ幕がありました(写真:サイゾーウーマン)

 そんな中、牛丼御三家の一角である「松屋」が、13日より期間限定メニューの「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」(2枚盛1,390円、3枚盛1,790円)の提供を開始し、満を持してチャーシューエッグ界に進出してきました。

 ネット上ではこのメニューに対して「めちゃくちゃウマい!」「ご飯が進み過ぎる」など、その味を評価する声が多く挙がっている一方で、「ちょっとお高いのが難点」「松屋の価格帯ではない」など、値段が高すぎるという声も少なからず見られています。

 牛丼チェーンで1000円台半ばというかなり強気な値段設定となっている同メニューは、果たして相応のおいしさがあるのか……。そんな疑問を抱いた筆者は、店舗を訪れその味を確かめることにしました。

【松屋】1,390円「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」実食!

おかわり無料(写真:サイゾーウーマン)

 さっそく店舗に向かい、「柔厚炙りチャーシューエッグ定食 2枚盛」の食券を券売機で購入。

 松屋は「牛焼肉定食」(840円)など、店内で鉄板を使って調理するメニューがあり、こちらは「牛めし」(並盛430円)などに比べると提供に時間がかかるという特徴がありますが、「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」も同様に時間がかかるタイプのようで、提供までに10分程度の時間がかかっていました。

 以下、写真メインで同メニューを紹介したいと思います。

「柔厚炙りチャーシューエッグ定食 2枚盛」の全体像。ご飯は特盛にしています。(写真:サイゾーウーマン)
目玉焼きにはたっぷりの塩コショウがかかっていました(写真:サイゾーウーマン)
その下には焼豚というよりは角煮に近いような大ぶりのチャーシュー(写真:サイゾーウーマン)

 提供された後、写真の撮影を行っている時点で筆者は、あまりに食欲をそそり過ぎるビジュアルに「これ、絶対おいしいよ!」とテンションがMAXに。

 ウキウキしながら半熟の卵を割り、箸で崩れるほど柔らかいチャーシューに乗せて食べてみました。味付け自体はまさにご飯が進む濃いめの甘辛テイストで、筆者の好みにど真ん中ストライクであったものの、チャーシューの繊維がかなりパサついているように感じてしまい、「あれ???」と戸惑ってしまうことに。

 自炊で作って、ちょっと煮込み過ぎて失敗したときのような食感で、少し残念な気持ちです。もちろん、かなり煮込まれているだけあり、脂身の部分はとろけるような食感でご飯との相性は抜群。繊維のパサつきも目玉焼きやご飯と一緒に食べるとある程度は気にならなくなるため、全体的には十分おいしいと言えると思います。

 しかし、1000円台半ばという価格設定と考えると、やはり割高に感じてしまったというのが正直な感想です。

目玉焼きはしっかり半熟で、この点はかなり好印象でした

 また、おかわり自由であるご飯のお供としては良いのかもしれませんが、目玉焼きにもしっかり塩気があるのも、個人的にはトゥーマッチに感じてしまった部分。

 筆者はハムエッグやベーコンエッグを作る際、目玉焼きの方には一切味を付けず、加工肉の塩気だけで食べることが多いので、もしかするとそれが影響しているのかもしれません。

 とはいえ、このメニューではチャーシュー単品でも十分濃いめの味付けであることから、目玉焼きはその塩気をマイルドにする役割を果たしてほしい、と思ってしまう人は、筆者以外にも少なくないのではないでしょうか。

ご飯と卵と一緒に食べると、肉のパサつきが比較的気にならなくなり、おいしく食べられます(写真:サイゾーウーマン)

そのまま食べると塩気がかなり強い!

からし(写真:サイゾーウーマン)

 ご飯が進む味付けという事もあってか、目玉焼き1枚とチャーシューひとつ、ぴったり半分を食べきったところで特盛ご飯を食べきることに。

 一応低糖質ダイエットを行っている筆者としては(なら特盛にするなよという批判は甘んじて受け入れます)、これ以上糖質を追加することを避けたかったため、何らかの“味変”をしてそのまま食べることにしました。

 「松屋」は卓上調味料がかなり豊富に揃っており、紅生姜や七味、からしのほか、醤油、甘口ダレ、ポン酢、バーベキューソース、特製ソース、中濃ソース、ごまドレッシング、フレンチドレッシングなどが置かれています。

 かなり塩気が強いことを考え、今回はソース類や紅生姜はスルーして、チャーシューの薬味として使われることも多いからしをたっぷりかけるのにチャレンジしました。

からしをたっぷり塗ると、ヘビーながらもさっぱりしたかなりハイレベルな味わいに変化(写真:サイゾーウーマン)

 結果としてこれは大正解で、爽やかな辛さがチャーシューのパサつきをカバーしてくれる上に、そのまま食べる分にはいささかヘビーすぎる脂身の部分もさっぱりと食べ進めることができるように。

 さらに、目玉焼きも一緒に食べると、からしマヨネーズを使ったたまごサラダのような風味がチャーシューと絡んで抜群の味わいに変化したのです。

 やはりそのまま食べる分には塩気が強い部分は否めませんでしたが、お酒のつまみなどにする分にはかなりアリだと思います。同メニューを頼まれる方は、ぜひ一度お試しください。

【松屋】「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」来年に期待のワケ

 味付け自体は本当においしい上、ご飯との相性で考えれば全然アリな部類であった「柔厚炙りチャーシューエッグ定食」。しかし、肉の食感や、目玉焼きの過剰な味付けなど、強気な価格設定にしては気になる点が多かった、というのが率直な意見です。

 とはいえ、「松屋」と言えば今年で23周年を迎える定番の期間限定メニュー「うまトマハンバーグ定食」や、本場ジョージアの大使が太鼓判を押した「シュクメルリ鍋定食」など、さまざまな期間限定メニューで高評価を受けているチェーンであることも事実。

 来年あたりに、ブラッシュアップされた「チャーシューエッグ定食」を再び提供し、捲土重来を果たしてくれることを期待しています。

生野菜サラダにバーベキューソース、おすすめです(写真:サイゾーウーマン)

 ちなみに、松屋の生野菜サラダに一番合うのはバーベキューソースだと思っています。こちらもぜひ一度お試しください!

阿左美賢治(ライター)

阿左美賢治(ライター)

中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢ライター。焦って低糖質ダイエットを始め、150kgまで減量に成功したものの、近頃は再びリバウンド気味となっている。自宅で低糖質スイーツを作るのが趣味だが、コンビニやスーパーで見かける糖質たっぷりスイーツの誘惑に負けることも多々。

最終更新:2024/08/22 15:30
うまトマが存在する限り、松屋を愛します!