「悪役」ヘンリー王子と「優等生」ウィリアム王子、「やんちゃ」秋篠宮さまと「冷静沈着」天皇陛下ーー皇族・王族における“キャラ”の重要性
――ということは、王位継承者である皇太子の妃だったダイアナは、少々型破りの個性派すぎて、暗黙の了解を破ってしまった……ともいえますか?
堀江 そうですね。ダイアナからの告発以降、ある種の「王室改革」が国民から求められているため、ハリー王子も「異色の経歴」の持ち主であるメーガンを、意図して結婚相手に選んだような気がしてならないのです。
しかし、王位継承者と目されるウィリアム王子の配偶者であるキャサリン妃が、ダイアナ妃の正当な部分……「表」のイメージを継承しているとしたら、ハリー王子とメーガン妃はダイアナ妃の「裏」の部分、スキャンダラスな側面を受け継ぐしかなかったのかも。兄夫婦と同じことをしてもキャラが被るだけですからね。
――ハリーとメーガンの数々の“問題行為”によって、王位継承者である父・チャールズ、そして兄・ウィリアムの正義が際立つともいえるのでしょうか?
堀江 そうです。どこまで意識的かはわかりませんが、ハリーはヒール(悪役)にならざるを得なかったのでは? 一般の方は、性質や生き方は隠そうとして隠せるものではないと思うでしょうが、英王室のメンバーともなると、世間に公表する生き様や、自分のキャラクターも選択できるのです。
たとえば20世紀中盤の話ですが、「大衆王」の異名を取り、庶民からもその「さわやかさ」「親しみやすさ」で多いに人気を得ていたエドワード8世という英国王がいました。
彼は後年、複数回の離婚歴があるウォレス・シンプソンとの恋愛、そして彼女との結婚を批判され、退位してしまうという「王冠をかけた恋」の当事者となった方ですけど、本当の彼はぜい沢好きな反面、使用人にはドケチで、教養にも欠けるので、実はそこまで女性からモテるほうでもなかったとか、だらしない日常生活を送る享楽的なだけの底の浅い人物だったことがわかっています。彼の死後、ようやく数々の証言が表に出始めたのでした。
――驚きました。メディアに見せていたキャラとは本当に真逆なんですね!