プウ美ねえさんのエプロンメモ

【プウ美ねえさんのお悩み相談】彼に年齢をカミングアウトできません

2025/05/31 21:15
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

目次

今回のお悩み:「彼に年齢をカミングアウトできません」
プウ美ねえさんの回答
今月のエプロンメモ

<今回のお悩み>
「彼に年齢をカミングアウトできません」

(C)熊田プウ助

 プウ美ねえさんこんにちは。私は8年前に相談を取り上げていただいた者です。7年間同じ男性に片思いしているという内容でした。当時46歳でした。

 あの時はありがとうございました。地球上で唯一あのどうかしていた私に言葉を返してくれたのがプウ美ねえさんでした。いろいろな意味でいまでも恩人です。本当にありがとうございました。

 結局、あのあと彼への気持ちが冷める出来事があり(私の見る目がなかったのです)、彼からゴミを見るような目で見られて片思いは終わりました。

 そして、もう誰も好きになれないだろうと思いながら数年過ぎて54歳になったいま、突然私を好きだと言ってくれる37歳の男性が現れました。

 プウ美ねえさん、私はこの年齢で初めて、自分がどんな男性といると安心できるのかを知りました。そして、好きな人としたいことは毎日夕食を楽しく食べることだと知りました。私も彼を大好きになりました。

 彼は不器用に大事にしてくれて感謝しかないのですが、私の年齢をカミングアウトすることがこわくて出来ません。

 そして生まれて初めて出来た、ふつうのお付き合い(まだ手を握り合って見つめ合うくらいです)をしている彼を失ったら自分はおかしくなってしまうと思います。

 この年齢であまりに過酷です。こわいんです。でも彼と毎日ごはんを食べる人生後半がほしい。身寄りがない私が家族を持てるかもという期待も持ってしまう。どうしたらいいのでしょうか。(ひなた・54歳)

プウ美ねえさんの回答

 ふたたびのお便り、うれしく拝読しました。いろいろ経験されながら、しなやかにすこやかにすごされていたようでなによりです。

 他人は思い通りに動きませんから、愛するってこわいのです。知り合いたいけど、知られるのは不安なときもあります。誠実に向き合っているからこそですね。うらやましい。でも考えてください、だれがドキドキしないジェットコースターに乗るでしょうか。ハラハラしない小説を読みたいでしょうか。もしかしたら彼のほうだって、不安になりながらも、それでもそばにいてくれてるのかもしれませんよ。なんたって年齢もわからないお相手ですからね。

 あなたが素晴らしいなと思う点は、彼への要望がきわめて具体的なことです。たまに「私だけをみつめて」「ワクワクさせてよ」などボンヤリした恋の言葉を聞きますが、抽象的で際限がありません。いっしょに毎日ごはんを食べたい、それなら最高です。同じ時間をすごせば、結びつきは強くなります。味だっておいしく感じるでしょう。健康になるかもしれません。きちんとそれを彼に伝えて、何度もごはんに誘ってください。誘われてください。ちなみにおねえさんが好きな人に求めるのは「靴下でやさしく顔をふんでほしい」その1点だけです。ほかのことは大人なので自分でなんとかします。

 大人として、なにかあった時おかしくならないよう複数の依存先をもつこともお勧めしておきます。お金、エンタメ、家事、お勉強、動植物にふれる、なんでもいいから彼以外の出来事も好きになっておきましょう。恋のドキドキにおしつぶされないように、ヨガや水泳で心肺機能を鍛えるのもよいことです。

今月のエプロンメモ

年齢を聞かれたら言ってもよいのでは。「その年齢はいやだな…」と狭い了見で決めつける男なら、どうせ楽しい時間ははぐくめません。判断材料になります。はっきり言いにくければ「じゃあ好きな色を教えるね」「明日は星座」など情報を小出しにするのはいかがでしょう。ぐっと潤いがあります。

<お悩み大募集>
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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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最終更新:2025/05/31 21:15
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