【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

「悪役」ヘンリー王子と「優等生」ウィリアム王子、「やんちゃ」秋篠宮さまと「冷静沈着」天皇陛下ーー皇族・王族における“キャラ”の重要性

2022/11/05 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

ヘンリー王子とメーガン妃も、“反抗者”という演技にすぎない?

堀江 はい。そういう例が20世紀中盤にはすでに存在していたので、ハリー王子とメーガン妃もメディアに見せている“反抗者”としての顔も、実は何かを狙った演技にすぎないといえるかもしれませんし、理想の皇太子夫妻として振る舞い続けているウィリアム王子とキャサリン妃が本当にそうなのか……というと、こちらも完全な演技である可能性は否定できないのです。

――ヨーロッパの王室って今なお、日本の皇室とは別の意味で、なんだか本当に「怖い」ところなんですね。ハリー王子たちでなくても、出て行きたくなる気持ちはわかる気がします……。

堀江 しかし、ハリーやメーガンにとってはいくら反抗者を気取ろうと、元・王室関係者という肩書と権威なしにはビジネスができないという痛いところはあるわけですね。痛いと言えば、この先もずっと職業として“お騒がせ者”を演じ続けていてもよいのかという話でもあります。

 当面は、チャールズ新国王の戴冠式に出席するのか、チャールズを批判した部分を含むNetflixの番組や自伝はそのまま世に出るのか、とりあえずは暖かくハリー夫妻を見守り続けたいと思います。

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。

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最終更新:2022/11/15 15:32
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そんな環境にいたら疲れて出ていきたくなるわ……