サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー反町隆史、『相棒』の“エリート役”は意外? 芸能 [再掲]ドラマ俳優クロニクル 反町隆史、『相棒』を卒業! ドラマ評論家が読み解く、学園ドラマ『GTO』で不動になった俳優イメージ 2022/03/23 21:30 成馬零一 ドラマレビュー成馬零一 次の作品も楽しみしてますよ〜!(C)サイゾーウーマン テレビ朝日系の連続ドラマ『相棒season20』が、3月23日の放送で最終回を迎える。さらに、“4代目相棒”として出演した反町隆史は、今シーズンで番組を卒業。2015年10月スタートの『season14』から登場し、歴代最多出演となる相棒役だっただけに、ネット上には惜しむ声が多数寄せられている。 同作での活躍もあり、今では俳優としての地位を確立した反町。一方で、芸能界デビュー当時はジャニーズ事務所に所属し、光GENJIのバックダンサーを務めたり、モデルとしてファッションショーに出演したりと、演技とはほぼ無縁の活動からキャリアをスタートさせている。そんな反町が俳優として脚光を浴びたのは、1998年放送の連続ドラマ『GTO』(フジテレビ系)だろう。 ドラマ評論家・成馬零一氏は、サイゾーウーマンの連載「ドラマ俳優クロニクル」にて、「『相棒』の冠城亘に至る俳優・反町のイメージは、『GTO』の鬼塚英吉を演じたことで完成した」とつづっていた。『GTO』は反町と『相棒』にどのような影響を与えたのだろうか? 『season20』の最終回に合わせて、ぜひ振り返ってみてほしい。 (編集部) (初出:2021年11月25日) 反町隆史の名を不動にした学園ドラマ『GTO』に見る、『相棒』に至る俳優イメージとは? ――ドラマにはいつも時代と生きる“俳優”がいる。『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『テレビドラマクロニクル1990→2020』(PLANETS)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、“俳優”にスポットを当てて90年代の名作ドラマをレビューする。 『相棒』(テレビ朝日系)のSeason20がスタートした。本作は、特命係という窓際部署に所属する頭のキレる刑事・杉下右京(水谷豊)と相棒となる刑事の掛け合いが魅力の人気刑事ドラマだが、現在、4代目相棒の冠城亘を演じているのが反町隆史である。 冠城は法務省から出向してきたキャリア官僚出身の刑事で、普段は飄々としているが、利用できるものはなんでも利用する合理主義者。しかし、奥底には強い正義感を抱えている。そんな冠城を、反町は落ち着いたトーンで好演しているのだが、エリート官僚出身の刑事を反町が演じると知った時は意外だった。筆者にとって反町はエリートとは真逆の存在で、『GTO』(フジテレビ系)の破天荒なヤンキー教師・鬼塚英吉だったからだ。 「週刊少年マガジン」(講談社)で藤沢とおるが連載していた同名漫画を1998年にドラマ化した本作は、武蔵野聖林学苑の非常勤として採用された鬼塚が主人公。彼が受け持つこととなった2年4組は問題児ばかり集まったクラスで、過去の担任は生徒から陰湿なイジメを受けて全員辞めていた。 鬼塚も生徒からの嫌がらせを受けて退職に追い込まれそうになるのだが、元不良で暴走族のリーダーだったため、生徒たちの嫌がらせを飄々とかわし、やがて信頼を獲得していく。正面からクソ真面目に説教するのではなく、一緒に悪ノリして学園生活を楽しみながら、生徒たちの心に深く寄り添っていく鬼塚は、今までの学園ドラマにはいない新しい教師だった。 次のページ 援助交際、イジメ、キレる若者……『GTO』が描いたシリアスな90年代のテーマ 1234次のページ 楽天 セブンネット GTO DVD-BOX 関連記事 KinKi Kidsドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』、ユーモアあふれる2人の軽妙なやりとりと年相応の男の子らしさの魅力伝説のドラマ『NIGHT HEAD』に詰まった90年代前半の“空気感”――豊川悦司の「怒り」と武田真治の「弱さ」が、暗い輝きとなった『二月の勝者』母親の「課金ゲーム上等!!」ブチギレが「名言!」「これが狂気か」と大反響! 中学受験めぐる夫婦の地雷嵐・櫻井翔、『ネメシス』での演技がヘタすぎる!? ドラマ評論家が指摘する“欠点”ゆえの持ち味ドラマ評論家が選出「2021年ブレークしそうな若手俳優」ベスト3! 松下洸平、岡田建史ランクイン