PTAには入りません、って言えない!?

PTA会費は「毎月300円」自動引き落とし!? 加入確認されてないのに……“教材費”で一括徴収される謎

2021/04/30 20:30
桜田モモ (ライター)

この春、我が子が小学校に入学! と同時に、うわさでいろいろ見聞きしていた「PTA」が、ついに現実のものに。「PTAは任意なんでしょ? 加入しなければいいのに」と思っていたけど、子どもの学校は「加入率100%」……!? 早くもPTAの謎ルールに面食らった母がつづる、「PTAには入りません、って言えない!?」。

写真ACより

【前回まで】
「任意加入」のはずが、ほとんどの親が、子の入学と同時に自動的に加入しているという「PTA」。我が子が入学した小学校も、現時点では保護者の加入意思を確認しておらず、ゆえに「加入率100%」。年度初めの懇談会では、「PTA委員」が決められるというが……!?

やっぱり「全員加入」が大前提の口ぶり

 PTA委員決めも兼ねた保護者懇談会は、入学式から約2週間後の平日午後に開催された。保育園の懇談会は基本的に土曜開催だったが、小学校ではそういうわけにはいかないらしい。兄弟姉妹で在籍する家庭を考慮してか、時間帯は学年で分けられ、1年生は体育館で40分程度行われるとのことだった。

 体育館に行くと1年生の親が100人以上来ており、保護者席は3分の2以上埋まっている。平日だというのに、なかなかの出席率(ソーシャルディスタンスはギリギリ)だが、母親が圧倒的多数で、父親は片手で数えられる程度。神妙な面持ちで座っているか、スマホをいじっているか、顔見知りの人と談笑しているかといったところで、リラックスした雰囲気ではないが、ことさらピリピリしているわけでもない。入学式とは違い、ジーンズやライダースなどカジュアルコーデの人も結構いるが、色合いは黒・グレー・ベージュ・カーキといった落ち着いたトーンの人が多かった。

 懇談会資料が配布され(プリント多い!)、開始時刻になると、司会役の先生が懇談会のタイムテーブルを説明する。それによると、まず先に「学年懇談会」を行い、その後、各クラスに移動し、「学級懇談会」を行うそうで、所要時間は全部で1時間半ほどに及ぶということが判明。あのー、事前に聞いていた「40分程度」の倍以上なんですけど?


 学級懇談会では、自己紹介をしてから「今年の委員さん」を決めるという。「委員さん」とはもちろん「PTA委員」のことだろうが、さらっと「委員さん」と口走られるあたり、やはりこの学校では全員加入が大前提になっていると思わされた。

PTA会費は「学校徴収金」で自動引き落とし!?

 学年懇談会では、教材費等の引き落とし、いわゆる「学校徴収金」についての案内があった。この小学校では、月ごとの定額制である教材費等(余剰金が出たら年度末に返金)とともに、月額300円のPTA会費も、毎月一緒に引き落とされるという。

 「4月分と5月分、5月○日までに口座に3,000円入っていれば大丈夫です」と先生はさらっと言うが、PTAは学校とは別組織のはずだ。でもPTA会費は学校徴収金に含まれちゃうってこと? 

 そんなことをしたら、ますますPTAは自動加入であり強制加入だという意識が生まれるんじゃないのか? 資料でも、PTAに加入していることが大前提のごとく、各学年の「毎月の引き落とし金額」として、教材費等の金額、PTA会費、合計が記されている。

 それにしても、加入の意思確認をせず、学校徴収金に組み込まれる形で引き落としって普通なのか。もし、携帯電話会社が何かの定額サービスで、利用者に加入の意思を取ることなく電話料金と一緒に口座引き落としなどすれば、大問題になるのではないか。PTA会費は、一世帯当たり月額300円、年額にして3,600円。月額300円だと、「はした金」くらいの感覚になっちゃいそうだが、小学校6年間で2万1600円。子どもが2~3人いて、10年以上会費を支払っているという家庭もあるだろうに……。


ある日うっかりPTA