サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー疑問だらけの「ar」モテ指南 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」5月号 四つん這いで、にんじんをくわえる吉岡里帆は「計算じゃない」! 疑問だらけの「ar」モテ指南 2017/05/06 17:00 女性誌レビューar 「ar」2017年5月号(主婦と生活社) 「雌ガール」や「おフェロ」といった新語を生み出してきた20代向けビューティ&ファッション誌「ar」(主婦と生活社)。その「モテよう! 女子力!! 色気出そうぜ!!!」と一切の恥じらいなく発信する世界観は、現在も衰えることなく続行中ですが、5月号のテーマは「可愛くなるチャンスは今! Beauty Addict」。ここ最近のどの号と比べても、大変ざっくりとしたテーマです。さらに誌面のどこを読んでも、なぜ可愛くなるチャンスが今なのか、その根拠は書かれていません。春だからですか? 過ごしやすい時期だからですか? それとも新製品が多く発売される季節なのでしょうか? こういった些細なことにも根拠を求めてしまう女性は、「ar」の世界観とは相容れないように見えますが、実は逆なのではないかと思うのです。なぜなら、一切の論理性を無視したテンションとオシャレっぽい雰囲気に、ただ身を任せることの気持ち良さを感じられるから。そのために、さぁ今月も「ar」を手に取りましょう。 <トピックス> ◎ベビーなエロティック顔がクルーっ(ハート) ◎有村架純、デニムgirlになる ◎モテるよ“ゴルフ女子” ■カタカナ言葉の雰囲気に酔うメイク特集 ビューティ企画の最初は、メイクアップアーティスト・イガリシノブとモデル・森絵梨佳の“おフェロ”顔ブーム立役者コンビによるページ。今号で提唱される「ベビーなエロティック顔」が、これまでの「おフェロ顔」とどう違うのかは、やっぱりここでもはっきりと示されることはありません。ベビーなエロティック顔とは「最強にソソるオンナ像」であり「ウブでエロスでキュンキュンさせるウワテなベビー顔」だそうですが、この異様なカタカナ多用にどのような効果を持たせたかったのか。そこも、気にせず流しましょう。 今回のメイク方法は、「自分の主張を押し出さず、キラめきと色に頼り切る」というもの。ベビーのような「ぽや~んとした頼りなさ」を醸し出し、「男子みんなが構いたくなるフレンドリーな愛されオーラ」を発することができるそうです。何度読んでも、ベビーとエロスがイコールでつながりません。ベビーにエロスを感じる男性には普通、犯罪のにおいしか感じないような……? しかし、そんなことも考え込んではいけません。思考を停止して「ベビーなエロティック」という、やわらかな文字面の雰囲気だけにときめけばよいのです。そうすると、だんだん気持ちが明るくなってきませんか……? そうは思っていても、1つだけどうしても説明がほしい箇所がありました。水色のネイルが「ベビーなニュアンスを生む」と、特に解説もなく書かれています。なぜ水色ネイルがベビーなのか。編集部に質問状を送りたいまでの衝動にかられます。まったく想像が付かなかったので「水色 ベビー」でネット検索してみたところ、水色のランジェリー(ベビードール)を着たセクシー美女画像がたくさん出てきました。謎は深まるばかりです。 次のページ ■有村架純、姉のヌードの話はしていない 12次のページ Amazon ar 2017年 05月号 関連記事 半目・いびき・大の字はNG! 熟睡中にまで“可愛い”を要求し、女子を追い詰める「ar」「ar」創刊20周年記念号、“内輪ネタと編集者アゲのどんちゃん騒ぎ”でいいの?「Gina」、「ar」路線に一直線? 飛び交う「おフェロ、母性、色気」ワードに胸騒ぎ「本能に従え」と説く「ar」のモテ特集、「男はやっぱりコンサバが好き」と矛盾した方向に……「モテるために趣味を」と啓蒙する「ar」を覆した、ジビエ女子・釣り女子のガチっぷり