サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー熟睡中にまで“可愛い”を持ちだした「ar」 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」11月号 半目・いびき・大の字はNG! 熟睡中にまで“可愛い”を要求し、女子を追い詰める「ar」 2015/11/10 15:00 女性誌速攻レビューar 「ar」2015年11月号(主婦と生活社) 先月号では、表紙を飾った女優・有村架純に「arはどの雑誌よりも、色があって独自の路線を確立されてるイメージ」「arは振り切っているイメージもあるんですが、女の子が大好きな“キュン”をする世界観を表現していらっしゃる」と、とってつけたように賞賛させていた「ar」(主婦と生活社)。今月号も新垣結衣に「アールのカバー初登場、光栄です! 明確なコンセプトがあり、振り切っている印象があるので……」と言わせていました。「振り切っている」という言葉がよほどお好きなようですが、さて今月号ではどんな振り切り方を見せてくれているでしょうか。 <トピックス> ◎男の子のハートに寄り添うおフェロ顔 ◎寝起きが一番セクシーって言われたい ◎とってもビューティな服&小物 ■結局、モテるのは我の主張をしないすっぴん風 今月号は、「可愛い」をテーマとしたビューティ特集号。「男の子のハートに寄り添うおフェロ顔」という企画では、モテメイクを指南しています。「王道MOTE全盛り顔」「お色気顔」「甘えんぼ」「小悪魔ちゃん」「ツンデレオンナ」「TAKANE上品」といったタイプに分けているのですが、全てに共通することは、やりすぎ禁物。“淡く”“軽くて涼しそう”“丁寧”“がキーワードとなっています。“振り切ってる”と評価されているはずの「ar」ですが、「結局、そこに行き着くか」と肩すかしな内容でした。 さらに、メイクに対する男性の意見を紹介しているのですが、これがまた言い古されたような“さりげなさ”“薄さ”“素っぽさ”を信仰する言葉ばかり。 「まつ毛はすごく長いんだけど、アイラインは少ししか引いてない、みたいな薄盛り系の目元がいいと思うな」 「生っぽい肌は近づいた時のツヤめき感がとてもエロい」 「ちょっとタレ目だったり、頬はふわっとピンクっぽかったり、父性をくすぐる幼さ?みたいなものに弱いかも」 「○○だけど、○○にあらず」という禅問答のような難題の押し付けばかり! そんなに“うっすらピンクの生っぽい肌”が好きなら、ハダカデバネズミでも抱いて寝てろと言いたいですね。こうした男の意見通りにメイク法を極めていくと、最終的には、細部まで作り込まれているが、それを感じさせないさりげなさ、といった職人芸というか、ニッポンのものづくり的な話になってしまう。ただ、そういうストイックなメイクは、ほかの美容専門雑誌でやればいいんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうか。タレントを使って「振り切っている」と言わせて自画自賛するだけでなく、きちんと形で“振り切っている”「ar」を表現してほしいと思います。 12次のページ Amazon ar(アール) 2015年 11 月号 [雑誌] 関連記事 「本能に従え」と説く「ar」のモテ特集、「男はやっぱりコンサバが好き」と矛盾した方向に……おフェロ顔で読者を呼び込み、美容情報は迷信と口コミだらけ! 「ar」の残念ビューティ特集「男はみんな浮気する」「男はいつまでも怒られたい」、男目線を持ち出した「ar」の恋愛特集3日間洗わないオイリーヘアを目指せ? 「ar」が得意のヘア企画で無茶難題を提案女目線と男目線を器用に使い分ける、「ar」のバランス感覚