サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー疑問だらけの「ar」モテ指南 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「ar」5月号 四つん這いで、にんじんをくわえる吉岡里帆は「計算じゃない」! 疑問だらけの「ar」モテ指南 2017/05/06 17:00 女性誌レビューar ■有村架純、姉のヌードの話はしていない 今号の表紙と巻頭インタビューには有村架純、そして特集には吉岡里帆と、旬な2人の若手女優が登場しています。目次を見てみると「有村架純、デニムgirlになる」「吉岡里帆、うさぎ女子になる」。似すぎています。とっても単純に付けた、転生ものライトノベルのタイトルみたいです。 まずは有村のインタビューページ、こちらは文字が細い&色が薄すぎて、目を凝らさないと読めません。さらに先へ進んで19ページ、編集部員と有村の対談企画の文字は、1文字が約1.2ミリ幅という超小文字。老眼でなくても、虫眼鏡がほしくなります。有村が「できれば読まないで」と希望している事柄でも語っているのではないかと勘ぐってしまうほどだったので、頑張って全文読んでみましたが、セミヌードになった疑惑の姉・有村藍里について語っているわけでもなく、オンオフの切り替え方や朝ドラの宣伝など通常の内容でした。 これではっきりしたのは、「ar」にとって大切なのは言葉そのものではなく、文字ヅラ。文字による誌面デザイン。つまり誌面のオシャレさ、雰囲気なのだということでした(しかし有村側はせっかく受けたインタビューをこんなに読みにくい掲載のされ方をして怒らないのだろうか)。 一方の吉岡は「うさぎ女子」をテーマに、四つん這い体勢で生にんじんを口にくわえたりと、うさぎコスプレを披露しています。メイク特集で赤ちゃんを目指し、こちらではうさぎを目指したり、とにかく「ar」は“男性に守られる女性像”を追い求めているよう。うさぎ女子とは「『こっちは計算してるわけじゃないのに、なんだか惑わしちゃう……』的な、ナチュラルボーン・モテ子」だそうですが、果たして計算ではなく四つん這いで生にんじんをくわえる女性がどこにいるのでしょうか。きっとこの言葉の意味も考えてはいけません。吉岡の可愛らしい写真と、「うさぎ女子」という文字面のほんわかさに酔えば幸せな気持ちになってきますよ。 ■やっつけ仕事すぎるゴルフ連載 見開き2ページの連載物「モテるよ“ゴルフ女子”」8回目の今回は、イケメンゴルファー特集でした。10人の男性ゴルファーを紹介していますが、このページだけやっつけ感が半端ない。ほかのページであれだけおしゃれ感をむんむんさせているのに、レイアウトも写真のチョイスも適当です。イケメンと紹介しておきつつ、お顔がよく見えない写真で掲載されてしまっている方も。お気の毒です。女性を可愛く見せることには全力を注ぐ同誌ですが、男性ゴルファーにはその愛情は注がれない様子。 言葉の意味も、読みやすさも犠牲にして守られているオシャレな「ar」の誌面。この特集は別の編集プロダクションにでも下請けしているのでしょうか。はたまた連載も8回目を迎え、「ゴルフって別にモテなくない?」などと、編集部側が気づいてしまったのでしょうか。2ページだけが落とし穴のように雑で、現実に引き戻された気持ちになりました。 (島本有紀子) 前のページ12 最終更新:2017/05/06 17:00 Amazon ar 2017年 05月号 仕事を選ばない吉岡里帆のガッツたるや 関連記事 半目・いびき・大の字はNG! 熟睡中にまで“可愛い”を要求し、女子を追い詰める「ar」「ar」創刊20周年記念号、“内輪ネタと編集者アゲのどんちゃん騒ぎ”でいいの?「Gina」、「ar」路線に一直線? 飛び交う「おフェロ、母性、色気」ワードに胸騒ぎ「本能に従え」と説く「ar」のモテ特集、「男はやっぱりコンサバが好き」と矛盾した方向に……「モテるために趣味を」と啓蒙する「ar」を覆した、ジビエ女子・釣り女子のガチっぷり 次の記事 親も本気な、私立小の運動会 >