漫画家・大橋裕之×とあるアラ子対談(前編)

男女問題、人脈、マウンティング……サブカル・コミュニティがドロドロする理由

2016/04/16 17:00

――サブカルの人脈作りをやめたきっかけは?

アラ子 以前の私は、自信のなさを、交友関係を広げることでカバーしようとしてたんです。「こんなにいろんな人と友達な私は特別」「有名な人と知り合いな自分はすごい」みたいな感じで。でも、そんなことしてても自分が空っぽなら何も意味がないって、ようやく気付いたんです。

 大橋さんは漫画以外でも、映画や音楽イベントなど幅広いジャンルでご活躍されていますが、人脈作りのようなことって意識されたりしますか?

大橋 ミーハーだから、有名な人が来る飲み会に参加するのは好きです。興味深い話が聞けることが多いので。でも大人数だと、自分からはほとんどしゃべりません。ただ話を聞いていることが面白いんで、いいんですけど。

アラ子  でも、そういう人のほうが絶対に好かれますよね。文化系の人って、聞くより話したい人が多いから……。


大橋 僕は決して聞き上手というのではなくて「大橋君、大丈夫?」と心配されるくらい、発言量がトンデモなく少ないみたいで……。たまに自分からも質問したりしているつもりなんですけどね。少人数だと普通にしゃべりますけど。
(穂島秋桜)

(後編に続く)

大橋裕之(おおはし・ひろゆき)
1980年、愛知県生まれ。2005年より『謎漫画作品集』を皮切りに自費出版を始める。07年より週刊誌に連載を始め、現在「テレビブロス」(東京ニュース通信社)をはじめ数誌に連載。単行本は『音楽と漫画』(太田出版)、『シティライツ』全3巻(講談社)など。最新刊は『太郎は水になりたかった(1)』(リイド社)。

とあるアラ子(とある・あらこ)
1983年、東京都生まれ。2013年に恋人のCDを片っ端から聴くブログ「うんいち〜運命の一枚をさがせ〜」を開設。その後『何故わたしは恋人のCD棚を端から聴き、レビュするようになったのか漫画』を自費出版。16年『わたしはあの子と絶対ちがうの』(イースト・プレス)で商業出版デビュー。

最終更新:2016/04/18 10:12
わたしはあの子と絶対ちがうの
サブカルより普通にジャニーズが好き