サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「STORY」のオシャレが楽しくない訳 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「STORY」9月号 「自分らしさ」と「他人の目」に翻弄……「STORY」のオシャレは楽しくない!? 2013/08/27 16:00 女性誌速攻レビューSTORY 「STORY」2013年9月号/光文社 40代のためのファッション誌「STORY」9月号(光文社)。40代はファッションに悩むお年頃です。理由の1つは、お察しのように体型の変化。着実に中年体型になって、去年似合っていたものがもう今年は似合わない。頭で思い描いていたイメージと、鏡の中の自分がまったく違って愕然とすることが多々あります。しかし、もっと困っているのは、身体面よりむしろ精神面。洋服を着るモチベーションが見いだせない。よほどおしゃれが好きという人は別でしょうが、これまで「モテたい」「キレイと言われたい」「オシャレな人と思われたい」と思って洋服を着てきた場合、ひとたび「モテなくていい」「キレイと言われなくていい」「オシャレな人と思われなくていい」という、「どうでもいい」づくしの魔界に足を踏み入れたら、何のために服を着るのかわからなくなる。最終的に辿り着いたのは「もう“フツーの人間”に見えればいいや」という、どんづまり桃源郷。“フツーの人間”に見える程度に服を着ていれば、社会生活で困ることってないですよね? 教えてください、オシャレって何のためにするんですか? <トピック> ◎オシャレな人には「頑固で素敵な」ルールがある! ◎連載 富岡佳子さん 働く40代ママ宣言! ◎2度目の自分探しは、「友情」探しでもありました ■揃いも揃って「自分らしさ」と「他人に与える印象」の計算を説くモデル 今月の「STORY」を見ていると、次のようなフレーズが随所で目立ちました。 「人目を気にする必要がないパリに15年近く暮らす中で、自分らしさを大切にすることを学びました。(中略)若いころは何でも勢いで着られましたが、大人の装いには計算が必要」(フリーアナウンサー・雨宮塔子) 「ファッションは、自分だけのものではなく、周りの人が不快に感じないということがとても大切」(スタイリスト・栗原登志恵) 「世間知らずだった若いころは、自由でやんちゃなファッションで自己主張していましたが、いまはシワがあっても無理なく見えて、本来の自分自身がにじみ出るような『引き算バランス』を考えた大人のオシャレがテーマですね」(アーティスト・hitomi) 「若い頃はスウェットにスニーカーでもサマになったけれど、今はただだらしない人に見えてしまいがちだし、逆にコンサバすぎても老けてしまう。上手にバランスを調整することが必要だと感じています。(中略)自分の好みだけでなく、客観的な視点も併せ持つことで、40代のオシャレはさらに輝く気がします」(モデル・富岡佳子) 「40代が近づいてきた今、自分のオシャレが確立されてきた気がしています。一番変化したのは自分が好きなものを好きなように着ていればよかった20代と違って、今は相手に与える印象も加味して服を選ぶようになったことですね」(モデル・仁香) 123次のページ Amazon 『STORY』 関連記事 「販売累計13,000本!」のコピーに宿る、「STORY」の生々しいバブル思想「STORY」が考える、ジャニコンで“目線をもらう服”は「全身ベージュ」!?「STORY」に倣い、バーキンに糞取りスコップを入れる40女の美学ノロケしかない「年下婚」特集にみる、「STORY」世代のオカン力の強み家族愛だけでは解決できない、「STORY」が直面する介護の理想と現実