サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」占いはなぜ廃れないのか? コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 なぜ占いは廃れないのか? 『突然ですが占ってもいいですか?』を見ていてわかったこと 2023/08/17 21:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) コラム 私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 Getty Images <今回の有名人> 「自分で頑張ればどうにかなるって、たいていのことは思っちゃう」長谷川理恵 『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系、8月14日) お金を払って鑑定してもらうとしたら、当たる占い師と当たらない占い師、どちらを選ぶだろうか。おそらく、すべての人が「当たる占い師」と答えるだろう。しかし、「当たる!」という触れ込みでテレビに出るような有名占い師でさえも、性格診断は別にして、“予言”の部分では、案外外していることがわかる。それなのに、占いというジャンルが廃れることはないし、占い師に鑑定してもらう番組もなくなることはない。 これはどうしてなのか。そんなことを考えながら、8月14日放送の『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)を見た。 今回の番組前半ゲストは、モデルの梨花と長谷川理恵。2人とも一世を風靡した人気モデルだが、長谷川は特にラッキーな人だと思う。そんな彼女は20代の頃、俳優・石田純一と不倫関係になり、長期間交際していたものの、結婚には至らなった。 石田と破局後は一般人男性、俳優・神田正輝との交際が話題となったが、結局、実業家男性と結婚。この男性は、離婚直後に長谷川と結婚したために、不倫からの略奪婚ではないかと疑う声もあった。昨今このようなことをしたら、世間にボッコボコに叩かれ、仕事にも支障が出たはずだが、そうならないのは、彼女が“持っている人”だからだろう。そんな長谷川が、占い師にどんなことを言われるのかという点にも興味を抱いた。 この番組を見ていていつも思うのは、占いの結果と一般論をきっちり分けるのは難しいということだ。長谷川は「好きな人には構ってほしいという気持ちがあるけど、それを見せない構ってちゃん」と占い師に指摘され、「あ~、そうそう」と納得していた。番組的には「この占い師は当たる」と視聴者に印象づける場面だったかもしれないが、これ、みんな、だいたいそうじゃない? と言いたくなる。好きな人に構ってもらわなくていいという人はほとんどいないだろうし、けれど、相手が仕事などで忙しいとわかれば、「構って構って」とは言えないものだ。 このほかにも、占い師に「小さいおじさんが中にいる」と指摘された長谷川は「いるんですよ~」と答えていたが、10年くらい前、30を過ぎた女優やモデルがこぞって「中身はおじさん」と言っていた時期があったことを考えると、これも占いの結果なのか、多くの人に当てはまる一般論なのか、ちょっと判別がしにくい。 「芸能人パワーを使ってでも」長谷川理恵のシュークリーム事件 また、占い師の指摘の中には、「それは外れているのでは?」と疑わしいものもあったが、長谷川本人は肯定していたので驚いた。 占い師から見ると、長谷川は、外見は美しいけれども、中身はおじさんで、ちょっと素直になれないキャラなのかもしれない。「人にお願いごと、頼みごとをするのが苦手なタイプと出ています」と指摘し、長谷川も「自分で頑張ろうと思っちゃう。頑張れちゃうし、自分で頑張ればどうにかなるって、たいていのことは思っちゃう。だから、わざわざお願いごとするのが、申し訳ない。その人のエネルギーを取っちゃう」と説明していた。 しかし、ここで思い出されるのが、石田がバラエティ番組で語っていたシュークリーム事件だ。 長谷川と交際中の石田は、有名店のシュークリームを買ってくるように言われ、行列に並んだが売り切れてしまい買えなかった。その後も3日連続で並んだのに買えなかった石田に対し、長谷川は「芸能人パワーを使ってでも、手に入れてこい」と言ったそうだ。 バラエティ番組での発言だから、多少“盛っている”かもしれない。それに石田は、長谷川と結婚するつもりで土地まで購入したのにフラれてしまったため、多少彼女に恨みを込めて悪く言っている可能性も否めない。しかし、このエピソードから考えると、長谷川は「頼みごとが苦手」ではないように思う。 また、長谷川といえば、夫からもらった婚約指輪のダイヤを「小さい」と口にしたため、夫がショックで吐血したことを自著『願力 愛を叶える心』(マガジンハウス)で明かし、話題になった。ダイヤが小さいと思うことと、それを口にすることはまったくの別問題である。彼女が人に遠慮して、言いたいことが言えないタイプにはどうしても思えないのだ。 しかし、長谷川はもしかしたら、「恋人には強めに物を言えるけれど、それ以外の人には言うべきことすら言えないタイプ」かもしれないし、若い頃は思ったことを何でも言っていたけれど、結婚して妻となり、母となったことで性格が変わって、今は相手にあれこれ言わ(え)なくなったというのもよくある話。そもそも大人になると「私の要求は100%聞き入れられている」と思っている人のほうが少数派で、多くの人は「自分は我慢している、自分の要求は聞き入れられていない」と思っている気もする。 このように考えていくと、他人からどう見えているかは別にして、占い師が「あなたは我慢している」系の指摘をすれば、本人は「当たった!」と感じるのだろう。 次のページ 売れっ子占い師のうまさ――「離婚する運命」だけど「努力して我慢するタイプ」 12次のページ 関連記事 長谷川理恵の「自分磨き」と「スピリチュアル」から暴く、“何様”感の正体期待を裏切らない女・長谷川理恵の「仕事」ぶりが、ゲス魂を揉みほぐすコムドット・やまとの“自画自賛”ぶりに見る、彼らに欠けているモノとは?マツコ・デラックスの「出身地イジリ」に乗らなかった梨花が“理解していたこと”とは?ぱーてぃーちゃん・信子と金子きょんちぃの“無礼芸”に考える、ギャルタレントの条件