サイゾーウーマンコラムゴミ屋敷に山口組のヤクザまで襲来 コラム 私は元闇金おばさん ゴミ屋敷の2階は水槽だらけ、異形の魚が悠々と泳ぎ――闇金社員が怖くなった“初現場” 2022/11/05 16:00 るり子(ライター) 私は元闇金おばさん 山口組襲来! 「お前ら、誰に断って入ってんじゃあ。早よ、開けんかい!」 飼育器具も含めて引き取ってもらえることになりましたが、その額面は2万円ほど。熱帯魚屋の店主は「成魚や中古器具は買い手が少なく、本来であれば逆に費用をいただくところだ」と話しています。アシが出るよりはマシと、正式に引き取りを依頼した佐藤さんに、店主が言いました。 「花輪さんは、どうしちゃったんですか?」 「ここだけの話ですけど、夜逃げしちゃったんですよ」 「許可なく片づけて大丈夫ですかね? 熱心に面倒をみていたし、ウチの常連さんだから心配ですよ」 「大丈夫ですよ。書類もあるし、なにかあれば我々が対応しますから」 厚手のビニール袋に水槽の水を移して、網ですくった生体を入れた店主は、スプレー缶で酸素を注入すると輪ゴムで縛って密封しました。飼育器具の搬出を終えた店主を見送り、空になった部屋の掃除をしていると、玄関扉を乱暴に叩く音が聞こえてきます。 「ヒシ(山口組のこと)の、トネ(仮名)じゃあ。お前ら誰に断って入ってんじゃあ。早よ、開けんかい!」 階段の上から玄関の様子を覗き見ると、静かな動きで玄関扉の前に陣取った2人は、顔を見合わせて外の様子をうかがっています。ドアスコープから屋外の様子を確認したいところですが、間髪入れずに扉を激しく叩いてくるので、目をあてることができません。扉がひずむほど激しく叩いてくるため、音が出るたび、ご近所の反応が気になりました。 「いないなら、壊して入るぞ。いるなら、早く開けんかい!」 仕方なくといった様子で佐藤さんが外に出ると、中に残った藤原さんは、すぐに施錠してバールを片手に身構えています。玄関先で、「(家の中に)入れろ、入れない」の押し問答が始まると、相手方の怒号が家の中まで聞こえてきました。 どうやら組織の話を出して脅迫されているようで、閑静な住宅街に不穏な言葉が響き渡っています。するとまもなく、弊社の社長をはじめ、社員のみんなが現場に到着しました。現場前の道路には、多くの車両が並び、ただならぬ空気が漂っています。 「近所迷惑になるから、中で話しましょうか」 次のページ 凄むヤクザと社長による話し合いの結果は…… 前のページ1234次のページ 楽天 漫画家本SPECIAL 闇金ウシジマくん本 関連記事 闇金社員、初の現場は「ゴミ屋敷」! コバエが弁当にたかる臭い部屋……仏壇の位牌が消えていた元闇金おばさんが見た「過払い金請求」ブーム――「ふざけた野郎だ」と社長は激怒するけれど……「闇金」新入社員のお仕事とは? 夜逃げして消えた子どもの友達対応に「胸が痛む」「闇金」新入社員が見た、夜逃げ社長のその後――ヤクザ登場で「自宅と工場占有」の現場私は元闇金おばさん……葬儀屋の娘が『ナニワ金融道』の世界へ、「君ならやっていけそうだ」と即採用されたワケ