【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さま、メトロポリタン美術館に就職か? かつてはタバコ屋で働いた皇女も……知られざるプリンセスの仕事と所得

2022/10/15 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

入院した厚子さんへ天皇皇后両陛下が渡したもの

――厚子さんと、ほかの皇室の方のご交流は続いていたのでしょうか。

堀江 機会あるごとに、東京の両陛下のおられる東京へ、厚子さんはお出かけになっておられたそうです。また皇族がたが岡山に公務でいらっしゃる時は、厚子さんがエスコートなさるということもしばしばあったそうです。63年(昭和38年)、厚子さんは敗血症で岡山大学病院に入院していたことがあるのですが、当初、公務が忙しくてお見舞いにいけなかった天皇皇后両陛下が、少女時代から厚子さんがお好きだったスープを、宮中の大膳部のシェフに作らせ、それを魔法瓶にいれて侍従の手に託した、という記事もありますね(「ヤングレディ」63年10月7日)。

 その後、厚子さんのもとに両陛下が「おしのび」で岡山までお見舞いにおいでになるのですが、この時ばかりは、娘として両陛下に厚子さんが甘えるところが目撃されています。「とくに恋しくない」と口ではおっしゃっていても、寂しさはあったと思いますね……。

――昭和天皇のお子様の中で、地方在住は厚子さんだけでしたよね?

堀江 そうなんです。この時、厚子さんは無事回復に向かわれます。しかし、今度は88年(昭和63年)、昭和天皇の容態が急変すると、厚子さんは動物園の事務所で記者会見した後、池田さんとともに上京するのですが、この時も心配で眠れなかった……とおっしゃっていました(「週刊読売」88年10月9日)。


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