コラム
【連載】わが子から引き離された母たち

「息子に毎日弁当を届けたい」21歳で結婚・出産した女性が、“わが子と会えない”理由

2021/06/04 16:00
西牟田靖

――その頃、夫の様子はどうだったんですか?

 子どもが3歳のとき、うつ病になってしまって、1年ほど働けなくなってしまいました。彼が自分で勝手に買ったマンションのローンのプレッシャーと仕事上の悩み、そして過労が原因です。

 彼が家にいるようになり、そうなるとずっと一緒に過ごさなければならないのと、家計の心配もあるということで、パートに出ることにしました。レジ打ちとかポスティング。その頃から、息子は幼稚園のプレ保育で外に預けていたので、日中は彼ひとりでした。

――夫がひとりになってよかったのでは?

 夫婦の関係はむしろ、どんどんと悪化していきました。夫はその間にオンラインゲーム依存症になってしまいましたし、私は私で、外での活動にのめり込みすぎてしまいました。パートをこなして家計を支えるほかに、親子カフェのボランティアとかオフ会とかの活動も、かなり活発にこなしていましたから。

――夫との関係は、その後、改善したんですか?

 年々関係は冷え込んでいき、子どもが小3の頃には、コミュニケーションがとれない感じになっていました。

――何か決定的出来事があったのですか?

 夫にまとわりつく、異性の影があったんです。私の知らないところで、外食に行ってて。財布に2人分の食事のレシートがあったんです。これは怪しいなと。それである日、夫が寝てる間に部屋に入って、スマホのLINEを確認したんです。すると、怪しいやりとりの証拠を見つけてしまいました。

――修羅場の予感がします。

 それで私、カッとなって叩き起こしました。すると夫は、眠い目をこすりながら、勝手に見たことの非を冷静に非難してくるんです。頭がいいので、理詰めで反論してくるんですよね。それで私、さらにカッとしちゃって。またもパニック状態。よく覚えていないんですが、おそらく、わーっと激高して、つかみかかったんだと思います。

――不倫が判明して、心のバランスが崩れたんでしょうか? 心療内科に通ったりしたんですか?

 レディースクリニックに通って、睡眠薬をもらっていました。その頃(不倫が発覚した頃)には、すぐに爆発することが多くて、自分をコントロールできなくなっていました。もう何かに乗っ取られているような状態。ひどいときは半狂乱で壁に頭ぶつけてたり、包丁で自分を切りつけようとしたり……。お酒と睡眠薬を大量に摂取したりもしていました。

――その後、夫婦関係が破綻したんですね。

 そうです。14年の2月、息子を連れて、名古屋の実家に帰りました。出るとき、夫は見送ってくれました。というのも、彼はそのとき、いったんクールダウンして、長くても、春休みの終わりまでには家に戻ってくると思ったんでしょう。

(後編へつづく)

最終更新:2021/06/04 16:00
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