サイゾーウーマンコラム『おちょやん』灯子目線で見る不倫妊娠劇 コラム 『おちょやん』解説 『おちょやん』灯子は非常に「したたか」!? 実在の九重京子“目線”で見る、史実の不倫妊娠劇 2021/04/26 12:30 堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト) コラム 渋谷が九重を口説いたセリフ 渋谷は、こういうセリフで九重を口説いたそうです。 「今の僕は仕事をしたい。本を書きたい。そして家庭というやすらぎの場を持ちたい。今の女房(=浪花千栄子)は、とても僕には荷重なんや」(九重の回想録『思い出の記』、『渋谷天外伝』内) 妻が女優だと、脚本家として良い本を書くのに支障が出るという理屈はおかしいですし、論理的でもありません。 しかし、前回のコラムでもお話したように、浪花千栄子は、実際は松竹新喜劇にお客を呼べる劇団のスター女優として君臨していながらも、渋谷から与えられる役に対する不満を隠そうともしていません。浪花の自伝『水のように』でも、そして週刊誌や新聞での彼女のコラムでも、渋谷の妻として過ごしていた浪花が、劇団内でいかに低く扱われたかに対し、不満を垂れ流しつづけています。 渋谷の心が、浪花から完全に離れてしまったのは、「女優としてさらに輝きたい!」という浪花の向上心、悪く言えば野心が、脚本家としての渋谷には重荷であった。そして、そんな女優を妻として持つことに、夫として疲れはててしまったというのが本当の原因だと思われます。 彼女の「気の強さ」が、渋谷の家庭生活から「やすらぎ」を奪っていたのでしょう。 次のページ 2人の間にあった出来事 前のページ12345次のページ 楽天 泣き笑いのエピソード 関連記事 『おちょやん』成田凌演じる「天海天海」の史実がひどすぎる! 不倫妊娠だけじゃないヒロインへの裏切り『おちょやん』浪花千栄子のリアル人生は「汚点」だらけ!? NHK朝ドラ化は「不可能」なワケ朝ドラ『おちょやん』、原作NGになった「ヤバすぎる」ストーリーとは!? NHKヒロインの「ドス黒い」人生『おちょやん』井川遥演じた「女優・高城百合子」の事実にびっくり! ドラマでは描けない悲劇の亡命NHK『おちょやん』、篠原涼子の女将は「異常者」だった!? 本当は怖い“芝居茶屋”の児童虐待ぶり