コラム
「2回目だからこそのしあわせ〜わたしたちの再婚物語」第1回
離婚後すぐ、結婚相談所で再婚を決めた47歳女性の理由「息子に連鎖させたくなかった」と語るワケ
2021/04/03 11:00
「私が再婚相手に求めるものは、とにかく『話し合い』のできる人。そして、夫は息子も含めて『家族』になることを希望してくれた。『自分が今までもらってきたバトンを次の世代につなげたい』そんな思いも話してくれて、未来に可能性を感じました」
良枝さんは「後からトラブルになるのはいやだから」と、交際を始めて1カ月もたたないうちに、新生活を見据えた話し合いを持ちかけた。前の結婚のこと。家族のこと。お金のこと。互いに全部さらけ出し、気になることはクリアにしてから、一緒になることを考えようという提案に、夫は誠実に応えてくれた。
「ああ、話し合いのできる人だな、と」
面倒なこと、楽しくない話題にも、きちんと向き合ってくれたことがうれしかった。この人となら、人生を共に歩いて行ける。気持ちを確かめ合い、結婚相談所はお見合いからほんの1カ月半で成婚退会、出会いからほんの6カ月で婚姻届を提出した。
コロナ禍のおかげで、家族らしくなった
それでも、結婚したての頃は、大変だった。互いに決して若くない年齢だから、それぞれ生活のペースややり方が出来上がってしまっている。折り合いをつけるのが難しく、小さなけんかは絶えなかった。カウンセラーやセラピストを目指しながら10年かけて心のケアをしてきたはずなのに、まだ自分のなかにあるやり残しにも気がついた。
「ときには感情的になってしまうこともありました。最初の1年目は、何度か離婚を考えたことも(笑)」
一緒に暮らし始めた息子は、入ったばかりの大学生活に夢中で、友達の家に泊まることも多く、あまり家にいなかった。それでもお互いに気を使いながらも歩み寄る努力をしてくれていたが、コロナ禍で大きく関係性が変わった。リモートで家にいることが増え、3人が常に顔を合わせる生活になったのだ。