サイゾーウーマンコラム家の購入で夫とけんかして離婚の危機! コラム 【連載】わが子から引き離された母たち 家の購入で夫とけんかして離婚の危機! 義父の叱責やワンオペ育児で疲弊した妻の苦しみ 2021/03/29 21:00 西牟田靖 離婚子育てわが子から引き離された母たち 夫に夢を否定されたショックで、離婚届を…… ――最高のクリスマスプレゼントですね。クリスマスパーティは、さぞ盛り上がったのでは? それがね、ケーキ作りがきっかけで、最悪のクリスマスパーティとなってしまいました。「生クリーム作りをお願いね。砂糖は〇〇グラムだから」と分量を伝えたのに、出来上がりが散々だったんです。それで私、「なんでこんなに味が薄いのよ。全然甘さが足りないじゃない。なんでここまで分量を丁寧に話しても、できないの? もういいや、家を買ってくれれば、あなたには何も期待しない」って、彼に言ってしまいました。 すると彼は、私に対して怒りを爆発させたんです。「謝れ。さもなくば家は買わない」と。彼は本当は岐阜の実家に帰りたいのに、私が半ば強引に家を買おうとしている。また、買えない理由もないから強固に反対もできない。だけどそれに従うことって、彼の中で人生を犠牲にすることを意味していたと思うんですよ。そこで、その言葉に対して彼から「謝れ」と言われました。でも、私は謝れなかった。私だって、自分のキャリアを諦めたり、義父の行動にも我慢したりしてきた。家を買いたいという私の夢くらい、一緒にかなえてほしかった。少しは「子どもを産む」「稼ぐ」以外の私の人生にも協力してほしかった。 その後、彼は、自分を否定された言葉に怒って、クリスマスの夜に家を飛び出していきました。私も子どもの面倒を見ながら、「彼がなぜ理解してくれないのか」「もう離婚かもな」と思って茫然としていました。 ――なんで彼は事前に反論しなかったんでしょう? 普段から、私の威圧的な話し方や反論も怖かったようです。また、自分の感情のコントロールや話し合いができる人だったら、向き合って話して折り合いをつけることができたでしょう。人の気持ちが少しでもわかれば、それまでの義父とのことだってフォローしてもらえたでしょう。 でも、私も人のことは言えないですが、彼はコミュニケーションが苦手で母親についてを聞けなかったように、嫌なことには押し黙れば問題を回避できると思っている。彼の父親がそうだったように。子どもがいなかった時は、私もそれなりに彼を気遣っていたので彼との関係は成立していたけれど、産後、私は子どもと私自身の生活でいっぱいになってしまって、彼への配慮をやめました。 子どもが1~4歳までは忙しくて彼へのケアが十分でなかったとしても、その後、何年かかけて彼と家族の情が育っていけばよいと思っていた。そこにも根本的な齟齬があって、彼の無意識の中で、私は彼のことを理解しない敵のような存在となり、自分を守ってくれる義父への訴求心が高まったのだと思います。 ――それで、ひとまず離婚危機は回避したんですか? その後、結局彼は「家を買わない」と言い張り、購入をキャンセルしました。当時、私はそのことにも怒り心頭でした。それまでの住居に住み続けることが難しいから数年かけて準備してきたのに、持ち家で暮らすという私の夢が彼によってすべて否定されたことがショックで、「このままじゃ、彼は私の気持ちをわかってくれない。私が離婚を考えるぐらい悩んでいることをわかってもらいたい」という一心から、離婚届を渡してしまったんです。 私は本当に子育てをちゃんとしてたし、仕事も頑張っていた。そういったところをちゃんと見ていてくれたら、彼がワンオペで、私のように2人の子どもを育てるのは現実的に難しいことがわかるだろうし、たとえ一時的な気の迷いだったとしても、ちゃんと家の購入を含めて向き合って、もう一度考え直してくれるんじゃないかなって、淡い期待をしていたんです。 また、お互いにクールダウンの必要があると思い、年末だったこともあり、お互いの実家に帰って気持ちが落ち着くまで別々に過ごしたほうがいいと考えていました。離婚届に関しては、渡してしまって以降も実際に提出されることはないと思っていました。というのは、彼の帰省中は私からの連絡は拒否され、両家の両親含めて「夫婦できちんと話し合う問題」「離婚はやめてほしい」と言われていたからです。 (後編につづく) (西牟田靖) 前のページ123 最終更新:2021/03/30 23:11 楽天 Yahoo 子どもを連れて、逃げました。 話し合いは大事 関連記事 息子と会えないのは、魂を引き裂かれたようにつらい――嫌われても調停を続けて、母親の存在を示す「給料が少ない」と偽っていた夫、子どもが生まれてから超クレーマーな本性があらわに!「24年前、男性用の抱っこひもはなかった」「別れても一緒に子どもを育てる」離婚を取材するライターが語る、子育てと社会の変化「子どもの父親はキャバクラの客」出産を知らせず、未婚で育てるシングルマザー昭和40年代、DV・モラハラという言葉がなかった時代の「夫からの恫喝と暴力」の悲劇 次の記事 関西Jr.・福本、熱愛報道も「無傷」で波紋 >