サイゾーウーマン暮らし食べ物コウケンテツも「料理がしんどい」 暮らし 白央篤司の「食本書評」 コウケンテツだって、ごはん作りはしんどい!? 料理研究家が「手料理=愛情のバロメーター」説をバッサリ、「家事の理不尽」を説く意味 2020/11/10 19:00 白央篤司 「食本書評」白央篤司 時短、カンタン、ヘルシー、がっつり……世のレシピ本もいろいろ。今注目したい食の本を、フードライター白央篤司が毎月1冊選んで、料理を実践しつつご紹介! 今月の1冊:『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』コウケンテツ 著 ぴあ 1,400円(税別)2020年9月20日発行 撮影:白央篤司 コウケンテツさんといえば、日本の料理研究家では知名度トップクラスのひとり。その彼が、初の書き下ろしエッセイとしてテーマに選んだのは、家事としての料理(以下、家事料理と記す)がしんどい人たちへの応援や励ましであり、また自身が家事料理に感じているつらさ、わずらわしさの率直な告白だった。 撮影:白央篤司 そもそも職業にするぐらいだから、コウさんは大の料理好き。彼にとって料理はずっと楽しみであり、レシピを考えることは喜びだった。それが結婚して、子どもができたことで変わってゆく。彼のお子さんは3人。 「自分が食べたいものは二の次にして子どもの好き嫌いや栄養バランスを考えなければいけない。家事や育児の時間が増えて、自分の時間はもちろん、楽しく料理する余裕さえうばわれてしまう」 と、冒頭で振り返っている。 「料理研究家だから(料理の)見た目も」よくして「品数もできるだけ多くしなければ」と考え、「自分を勝手に追い詰めて」いたと。 「子どもの心と成長を培うのは、あなたの手料理」 そんなふうに、以前は講演会などで訴えていた。それを聞いた参加者のひとりが、料理は苦手だけれど頑張ろう、と決意する。しかし数年後に再びコウさんのもとへ訪れて、彼女は言った。 「(もう)限界がきました。私はどうすればいいのでしょうか……」 毎日の料理づくりがつらくてつらくて仕方ない、と。自分の言葉がひとを追い詰めていた――料理家としてコウさんは大きなショックを受ける。そしてその衝撃が、本著を書くきっかけにもなった。 次のページ 家事料理はなぜ大変になりがちなのか? 12次のページ 楽天 Yahoo 本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ / コウケンテツ (書籍)◆ネコポス送料無料(ZB81275) 関連記事 買ってよかった『決定版 感動の冷凍術』! 自炊の手間が省ける、“凄テクニック”レシピをやってみたアク抜きしない、ぎゅうぎゅう絞らない、レンチンでOK! “昔の常識”を打ち破る、瀬尾幸子『素材がわかる料理帖』レシピ料理がグッと気楽になる! 簡単・うまい・栄養◎、『70歳からのらくらく家ごはん』レシピがスゴイ『おいしく食べる食材の手帖』書評:沸騰湯NGの野菜9種は? レシピの読解力がアップする快い1冊「韓国風なすごはん」はぜひ試して! 人気の料理研究家、重信初江のレシピ『味付けご飯とおみおつけ』