[コラム]K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り

SEVENTEEN「HOME;RUN」は「Jazz」を知るとさらに楽しい! MVの世界観と音楽ルーツを解説 

2020/11/03 19:00
e_e_li_c_a

1990年代:エレクトロ・スウィングの誕生

 スウィングの関連ジャンルとして「Electro swing」(エレクトロ・スウィング、またはSwing house musicともいう)というジャンルがあり、スウィング・ジャズとエレクトロミュージックを融合させたジャンルで、「踊れるジャズ」とも呼ばれています。HouseやHiphop、Drum & Bass、EDMなどと混ざり合って1990年代に生まれたジャンルで、黎明期にはAcid JazzやNu Jazz、Swing houseなどともいわれていました。

 4つ打ちのビートが乗せられており、ジャズのリズムをどうとって良いかわからないような人にも親切でわかりやすく、ノリやすいビートになっていると思います。

■Caravan Palace – Suzy (2008)

 New jack swingの「swing」も以前の記事で書いたように、ドラムマシーンのリズムをスウィング出来る機能のSwingボタンから来ているので関連があるといえるでしょう。

K-Pop関連曲

 ということでK-Popの関連楽曲についてです。厳密に分けることは難しいですが、エレクトロ・スウィングとスウィング・ジャズをそれぞれ紹介したいと思います。


 ライブバージョンのみのアレンジや曲の登録がなくてプレイリストに入れられなかったものなどもありますが、AppleとSpotifyのプレイリストを作成してあるので気に入った方はそちらもチェックしてみてください。

・Electro swing K-Pop Playlist
Apple 
Spotify

・Swing K-Pop Playlist
Apple
Spotify

Electro swing K-Pop

・달샤벳(Dal★shabet) – 있기 없기(Hate, Don’t Hate!) 2012/11/14

・Orange Caramel(오렌지캬라멜) – Lipstick(립스틱) 2012/9/12


・TVXQ! 동방신기 – 수리수리 (Spellbound) 2014/2/26

・ORANGE CARAMEL(오렌지캬라멜) – My Copycat(나처럼 해봐요) 2014/8/18

・빅플로(BIGFLO) – 배드마마자마(BAD MAMA JAMA) 2014/11/25

・IMFACT – 롤리팝 Lollipop 2016/1/27

・HELLOVENUS(헬로비너스) – Mysterious 2017/1/11

・UNB – BLACK HEART (유앤비 – 블랙하트) 2018/1/28

・MOMOLAND(모모랜드) – I’m So Hot 2019/3/20

Swing K-Pop

・LEE HI – 1.2.3.4 2012/10/29

・이효리 (Lee Hyori) – 미스코리아 (Miss Korea) 2013/5/5

・IU(아이유) – The red shoes(분홍신) 2013/10/8

・TVXQ! 동방신기 – Something 2014/1/1

・SPICA(스피카) – You Don’t Love Me 2014/1/27

・Red Velvet – 레드벨벳 ‘Be Natural (feat. SR14B TAEYONG (태용)) 2014/10/9

・Mamamoo – Um Oh Ah Yeh (2015 KBS Song Festival) 2015/06/19

・수지(Suzy), 백현(BAEKHYUN) – Dream 2016/1/6

・BUMKEY(범키) – backindadayz 2016/1/20

・로드보이즈 RoadBoyz – Shake It, Shake It 2016/3/20

・레이디스 코드(LADIES’ CODE) – 더 레인(The Rain) 2016/10/13

・블락비(Block B) - 로맨틱하게 2017/1/11

・JESSICA (제시카) – 봄이라서 그래 2017/4/18

・MINSEO(민서) – Is Who 2018/1/20

・박경 (PARK KYUNG) – INSTANT (Feat. SUMIN) 2018/6/22

<落選したけど……紹介したい1曲>

■에이스(A.C.E) – 황홀경(Baby Tonight)


 10月、私がほぼこれしか聞いていなかった曲「황홀경(恍惚境)」です。この曲が収録されているミニアルバム『胡蝶之夢(HJZM : The Butterfly Phantasy)』のリリースは9月ですが、タイトル曲とは別に後続曲としてこの曲で音楽番組に出演し、MBCの『it’s live』という生バンド企画で披露したのは10月に入ってからだったので今回挙げました。

 原曲ももちろん良いのですが、原曲よりも音数が少なくなりボーカルのハーモニーがわかりやすい部分、生になったドラム音が曲を柔らかくし、ピアノの音がより雰囲気を切なくしているところなど、良い点を挙げればキリがありません。サウンド全体がボーカルの邪魔をせず、かつ引き立てる役割を果たしており、個人的にはいわゆるバラード曲よりもずっと彼らの声と歌唱力を生かせている曲だなと感じました。

 グループの最年少でメインボーカルのチャンが出演しているウェブドラマ『Twenty Twenty』がちょうど放送されていたこともあり、音楽的な面でも人的な面でも興味を惹かれ、デビュー時から音源だけは追っていましたが、今さらハマりそうになっています。彼らそれぞれの声がこんなに特徴的で良いことに普段の楽曲では気付くことができませんでした。もっと丁寧に音楽を聞かなきゃな……という気持ちになった曲です。

<近況>
Stray Kidsのオンラインコンサートが決まったため、普段テレビを全く見ないのに40インチのテレビを買いました。音楽番組の4K固定カメラ動画を見たりして、なるほどこういう使い方がね~……となっています。

e_e_li_c_a
1987年生まれ。18歳からDJを始めヒップホップ、ソウル、 ファンク、ジャズ、中東音楽、 タイポップスなどさまざまなジャンルを経て現在K-POPをかけるクラブイベント「Todak Todak」を主催。楽曲的な面白さとアイドルとしての魅力の双方からK-POPを紹介して人気を集める。

Twitter @e_e_li_c_a TodakTodak 
mixcloud eelica

最終更新:2020/11/03 19:00
SEVENTEEN / ;SEMICOLON (スペシャルアルバム) (14種から1種ランダム発送)[韓国 CD]
こんなに楽しいジャズ解説は後にも先にもないよ!