[女性誌速攻レビュー]「ar」6・7月号

「ar」ワキ汗が許されるのは「キレイな女性」だけ!? 男の勝手な言い分にイラつく「カラダ悩み特集」

2020/06/06 16:00
島本有紀子(ライター)

男が女のワキ汗の染みにドキッとするのは!?

 最後は「夏のオンナのカラダと悩みのすべて!!」。こちらは、汗・ニオイ・ムダ毛という夏の三大お悩みについて、一般男性へのアンケートも紹介しながら対策方法を紹介する企画でした。

 「彼女がアンダーの脱毛途中でジョリジョリしてても、頑張ってる過程だからまったくイヤじゃない」という心が広め(?)の男性もいれば、「手フェチは指毛も気になります」「背中の開いた服を着てるのに背中の毛が生えてる人。着るなら気にしなよ」という細かいケアを求める男性も。

 個人的に「は?」と感じたのは、「キレイな女性でワキ汗がブラウスにちょっと染みてるのを見ると、人間らしくてドキッとする」という意見。「キレイな女性」にわざわざ限定しているのが、イラつきポイントです。また「料理を作りながら額の汗をぬぐってる姿は、頑張ってる感じが伝わってきてキュン」というコメントも。“料理というシチュエーションでの汗なら許してやるぜ=料理は女性が頑張るもの”という、この人の固定概念が透けて見えます。

 今は、男性もケアを心掛ける時代のよう。ワキ汗軽減のために「ボトックス注射やってます」という男性、乳首の周りの毛を「自分でも気持ち悪いと思うから抜いてる」という男性、VIO脱毛をしている同性は「周りにも結構いる」という男性が誌面に登場していました。こういう部分の男女の差はなくなりつつあるのだから、指毛や背中の毛もお互い大目に見ようぜ……と感じます。

 今号が合併号になったため、来月号はお休みですが、「ar」を読み込んで次の号を楽しみに待ちます。


島本有紀子(ライター)

島本有紀子(ライター)

女性ファッション誌ウォッチャー。ファッションページから読み物ページまでチェックし、その女性誌の特性や読者像を想像するのが趣味。サイゾーウーマンでは、「ar」(主婦と生活社)と「Domani」(小学館)レビューを担当していた。

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最終更新:2020/06/06 16:00
ar(アール)
ただの汗なんだよ、それは