サイゾーウーマンカルチャー社会被害者報道めぐる批判を記者に問う カルチャー インタビュー 川崎殺傷、池袋・大津事故――「被害者報道」めぐるマスコミ批判に、報道記者はどう答える? 2019/07/07 16:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) インタビュー社会 5月28日、神奈川県・川崎の登戸駅付近で、スクールバスを待っていた小学生らが、男性に相次いで刺され、小学6年生の女子児童と保護者の男性が死亡、17人が負傷するという「川崎殺傷事件」が起こった。 この痛ましい事件は、多くの人々にショックを与え、ネット上では、亡くなられた被害者への哀悼や加害者男性への強い憤り、事件の真相解明を求める声などが飛び交ったが、その中で「マスコミ批判」も過熱。加害者男性の名前が公表される前に、被害者の実名が報じられたことをきっかけに、「それより加害者のことを知りたい」「被害者の実名や経歴、人となりを報じる意味は?」「被害者の気持ちをもっと考えるべき」といった声が巻き起こり、「被害者の実名や顔写真を出すな!」といった主張も散見された。 これまでも、被害者やその家族が報道自粛をする中、マスコミが強引な取材やプライバシー侵害にあたるような報道を行ったとして、「被害者報道の在り方」が議論されることはたびたびあった。そんな中、ここ数カ月の間に起こった「池袋暴走事故」(4月19日)、「大津園児事故」(5月8日)でも、同様の議論に発展、マスコミの取材や報道の仕方が疑問視されることが続いており、現在あらためて事件や事故を取材・報道するマスコミの姿勢が問われているのだ。 今回、「被害者報道」の現状と課題に、報道サイド/被害者支援サイド双方の視点から考えていく。前編では、大手マスコミの報道記者であるA氏に話をお聞きした。 次のページ 報道記者の仕事は「歴史を記す」こと――実名報道の理由 123次のページ 楽天 憲法から考える実名犯罪報道 関連記事 「ViVi」自民党企画が波紋――軍地彩弓氏が語る「もし私が女性ファッション誌で政治を扱うなら」精神科医が語る「引きこもり」に見られる6つの精神状態と、「犯罪者予備軍」の論調が危険なワケオンナたちの釜ヶ崎――圧倒的「男性社会」で生きてきた「私娼」「女性ホームレス」の姿介護職が明かす「パワハラ」「セクハラ」問題の今、「高齢者にも性欲を感じる権利がある」が……「読み聞かせ」は頭のいい子を育てる? 絵本をめぐる“親の憂鬱”を考える座談会