サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「Domani」の好戦的座談会、とんだ茶番 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「Domani」9月号 「たまには男の意見も聞いてみる?」胸がザワつく「Domani」の好戦的座談会、とんだ茶番! 2017/08/27 21:00 女性誌速攻レビューDomani 「Domani」(小学館)9月号 「Domani」(小学館)の厚さが増してきているような気がしてならない今日この頃。昨年の9月号と比べると約50ページも増えてますよ! その増量したページは、「働く女性」の財布をこじ開けるためのタイアップ記事になってるような。例えば「小泉里子36歳。等身大の美容流儀」。一応、企画記事っぽく「服、気分、シーンで使い分けるのが小泉流。目に見えなくても、香りはファッションの一部」と書かれているけど、紹介されているのはDiorの商品だけ! タイアップ記事? このまま広告が増え、読者の本音や実態がますます見えないつくりになってしまうのかしら。今だって全然本音がわからないっていうのに! <トピックス> ◎35→40歳、おしゃれも美容も人生も…HAPPYエイジングでいこう! ◎ドマーニ読者がHappyエイジングに挑戦 ◎たまには僕たち男の意見も聞いてみる? ■エビちゃんより涼子でしょ! 季節の変わり目ということもあり、「35過ぎたら、何より『美容』」という大特集に始まり、ファッションより美容を語ることが多かった今月号。しかし、美容だけでなく、とにかく饒舌に語りかけてくるのが気になりました。 「35→40歳、おしゃれも美容も人生も…HAPPYエイジングでいこう!」という企画は、ファッショングラビアに一言決意みたいのが添えられ、例えば「いつだって自分自身の足で歩いている」。片手に大量の資料、もう片手にはスマホを持って明後日の方向を見る蛯原友里の写真にこのフレーズ……。なんで資料をその立派な鞄に入れないのか? というか仕事用にしては鞄が小さすぎるだろ、などと気になってはいけません。このフレーズに共感、共鳴して自己啓発されなければ、以降のページはひたすらに苦行! 次にくるのは、「社会とつながっている、仕事をしている私が好き」。その後も生き方表明が続き、最後は、「心も体にも無理しないのがいちばんと、最近わかってきた」。なんだろう、字面を追ってると、篠原涼子が主演してそうな「働く女」ドラマのケータイ小説版みたいですね。「20代から、仕事もプライベートも頑張って頑張って頑張ってきた日々。そろそろそんな呪縛から解き放たれて、楽な心持ちで生活する方法を見つけたい」とか、篠原が髪の毛かき上げながら、バーで溜め息ついてそうな言葉! 薄ら寒い! でもこれ、女性ファッション誌として正しいアプローチですよね。ファッション誌はある意味フィクション。子どもの頃に没頭した“物語の世界”と同じ。現実世界は、面倒なことや納得できないことであふれてて、自分を主人公にして生きていけない場面があるじゃないですか。せめて雑誌の世界だけは、「Domani」の世界だけは、自分を篠原涼子モードにして存分にうっとりしちゃってよ、ってことだと勝手に解釈しましたよ! いっそ、「Domani」監修、篠原涼子ラジオドラマなんてのはどうでしょう? 次のページ 「たまには僕たち男の意見も聞いてみる?」って…… 12次のページ Amazon Domani(ドマーニ) 2017年 09 月号 [雑誌] 関連記事 結婚&男へのファンタジーを失った「Domani」、“ごほうび買い”という名の金の亡者に「婦人公論」で始まった鈴木保奈美のエッセー、80年代引きずりまくりの文体の時代錯誤感「CLASSY.」の「パリっぽい」特集第二弾、前回に増して雰囲気とアイテムだけのスカスカな中身に「Domani」、松嶋菜々子の「平凡な私」語りに潜む“芸能界のマミートラック”を生きる術防寒するな・パステル色を着ろ・他人に気を使え! 「CLASSY.」の花見コーデ企画が怖すぎ