サイゾーウーマンコラムルポ「別れた夫にわが子を会わせる?」DV夫から逃げるためにシェルターへ コラム 【連載】別れた夫にわが子を会わせる? 初めて殴られたときDVだと気づいた。夫から逃げるためにシェルターへ【別れた夫にわが子を会わせる?】 2017/05/23 15:00 離婚DV別れた夫にわが子を会わせる? Photo by Billie Grace Ward from flickr 『わが子に会えない』(PHP研究所)で、離婚や別居により子どもと離れ、会えなくなってしまった男性の声を集めた西牟田靖が、その女性側の声――夫と別居して子どもと暮らす女性の声を聞くシリーズ。彼女たちは、なぜ別れを選んだのか? どんな暮らしをし、どうやって子どもを育てているのか? 別れた夫に、子どもを会わせているのか? それとも会わせていないのか――? 第1回 倉橋まりさん(仮名、40代)前編 ■DVに気づいたとき 「夫のやってることがDVだと気がついたのは、初めて殴られたときでした。『女性を殴るなんてひどい』と思いましたが、その思いを夫に伝えることはできませんでした。怖かったんです。 しばらくは殴られなかったんですが、半年くらい後に、また殴られました。そのとき私は勇気を出して、『殴るのだけはやめてほしい。今度殴ったら別れる』と夫に言いました。 それできっぱりやめてくれるのかと思ったら、その通りにはなりませんでした。さらに半年くらい後、また殴られてしまったんです。我慢せず別れればよかったのに、私は別れることはせず、ただ夫に心を閉ざしただけでした。そうして私は、殴る、蹴る、髪を引っぱる、大声で怒鳴る――といった暴力を、半年くらいごとに振るわれ続けたんです」 倉橋まりさんは、つらい体験の一端を口にした。 「夫と知り合ったのは、私が大学に通っていた頃です。彼は別の大学に通っている人で、頭のいい、優秀な人でした。見た目も格好よかったので、向こうから食事に誘われたときはうれしかった。そのままお付き合いすることになりまして、結局、彼とゴールインいたしました。それぞれ大学を卒業し、就職した後のことです。結婚後、私は家庭に入らず、仕事を続けました。出産後も、職場に復帰して子育てしながら、働き続けたんです。 振り返ってみると、そういえば結婚生活の初期から、前触れといいますか、DVの兆候がありました。例えば、次のようなことをされたんです。『お前のせいで大変なことになる』と脅されたり、お金(生活費)を少ししか渡されなかったり。長時間説教されたり、『お前は最低だ』と言われたり……。それでも最初は、結婚ってそんなものかと思って我慢していたんです。 先に申しましたように、初めて手を上げられたとき、夫にやられていることがDVだと理解しました。しかし殴られても、じっと我慢しました。抵抗すればさらに殴られる、ということが予想できたからです」 次のページ なぜ離婚したか 123次のページ Amazon わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち 関連記事 泰葉が元夫のDVを告発! 10年前の被害を訴えることは可能?親が離婚した子の「幸せ」とは? わが子に会えない父親の本音と「親子断絶防止法」の意味不倫相手と出て行ったDV夫、連れ子と1歳児を残された妻――妹の家庭は「崩壊」していた「DV加害者は自分が被害者という意識」愛しているはずの人に暴力を振るってしまう心理とは?妹を廃人にしたDV男が、目的のわからない不気味な電話をかけてきました