サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」オリラジ・中田の受験生メンタリティ コラム 仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」 オリラジ・中田敦彦、“天狗”といわれるコメンテーターぶりに見る「受験生メンタリティ」 2016/07/14 21:00 オリエンタルラジオ女のためのテレビ深読み週報 キレキレの発言で、2016年のネットニュース王候補に 羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。 <今回の芸能人> 「徹底的に追及してほしいですね」中田敦彦 『白熱ライブ ビビット』(TBS系、7月13日) ワイドショーのコメンテーターは、性別による棲み分けと役割分担がなされているように思う。視聴者の多くが女性だからだろう、温和に正論を言う主役級のコメンテーターは、たいてい女性である。番組を盛り上げるためには、正論だけでは不十分なので、許される範囲で毒を吐くコメンテーターも必要になる。これも多くは女性である。一方で男性コメンテーターは、あまり発言せず、個人を断罪することもほとんどない。本質斬りは女性にまかせて“表面をなでる”ことが多いように思うが、『白熱ライブ ビビット』(TBS系)のコメンテーター、オリエンタルラジオ・中田敦彦は、そういった固定概念を覆す。 多くの男性コメンテーターと中田の一番大きな違いは、中田が常に個人の資質に言及することと、善悪について白黒はっきりつけることである。 例えば、ベッキーの不倫であれば、多くのコメンテーターは「最初の会見で嘘をついたのがまずかった」「復帰前に記者会見すべき」と対応の悪さを指摘する。しかし、中田は「不倫はいけないことであり、まずかったのは、〇〇という性質」というように、「100%個人責任」とするのである。7月13日放送の『白熱ライブ ビビット』では、善光寺貫主による従業員女性へのセクハラ・パワハラ問題を取り上げたが、ほかのコメンテーターであれば「心配ですね」で済ませるところを、中田は「徹底的に追及してほしい」とはっきりした結果を所望していた。 こういった姿勢が、一部ネット民には“天狗”と映っているようだが、私には違うように見える。中田のコメントの根幹にあるのは、“高3メンタリティー”だと思うのだ。 中田の代表作と言えば、「武勇伝」や「PERFECT HUMAN」が思い浮かぶ人も多いだろうが、私にとってのそれは『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「勉強大好き芸人」回と、『しくじり先生』(テレビ朝日系)登場回である。『アメトーーク!』で中田は、慶應義塾大学経済学部卒という高学歴を生かして、受験勉強の仕方をレクチャーしていた。この番組には、京都大学法学部卒のロザン・宇治原史規も出演しているが、メインは中田。難関校に合格するのに効果的な勉強法を教えるという観点でいえば、宇治原がメインでもよかったはずだが、この企画は、中田なしには成立しなかったと思う。なぜなら、中田は“できない人”“ダメな人”の心理に精通しているのだ。どうして勉強が嫌になるのか? 勉強が嫌になったら、どうやってやる気を取り戻すのか? 中田が心の中に“ダメな人”を飼い続けていることが、レクチャーの説得力を高めているのだろう。 12次のページ Amazon 『PERFECT HUMAN(TYPE-A)(DVD付)』 関連記事 高橋真麻、非リア充キャラが綻んだ瞬間――カネの話ににじみ出た“セレブなお育ち”神田うのが、実は「空気を読める」タレントであるワケ――嫌われている本当の原因は?X JAPAN・Toshlの語る「再結成エピソード」に、「洗脳が解けてない」と感じてしまうワケ三遊亭円楽“不倫謝罪会見”の最も気持ち悪かった点――「度量の広い妻」賛美への疑問武田修宏、紫吹淳、西川史子――“モテ期”で自意識が停止した、四十路のズレてる恋愛トーク