仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

武田修宏、紫吹淳、西川史子――“モテ期”で自意識が停止した、四十路のズレてる恋愛トーク

2016/06/09 21:00
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武田修宏オフィシャルブログより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「彼女は靴が好きだと思ったんで、靴を新調してきたんです」武田修宏
『ダウンタウンDX』(日本テレビ系、6月2日)

 若い方はご存じないかもしれないが、その昔、『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)という番組があった。明石家さんまが司会で、オーディションで選ばれたシロウトの女性たちが、恋愛にまつわるトークを展開する内容で、当初はごく短期間の予定だったが、高視聴率のため、1994年から17年続く長寿番組となった。

 この番組の特徴の1つは、若く可愛い子は最前列に、顔やしゃべり方に特徴がある人、年齢が高い女性は後ろに回されることだった。30歳を超えた女性は、たいてい“ミソジ”とあだ名をつけられる。“ミソジ”は若くないので女性扱いされない、「男にフラれた」など、バラエティ的なオチをつける役を担っていたが、2016年、バラエティ番組で、中心となって恋愛を語っているのは、ミソジどころかほとんどヨソジである。

 例えば、6月2日放送の『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)は、「独身芸能人男と女スペシャル」だったが、主な出演者は、男性はスピードワゴン・井戸田潤(43歳)、小沢一敬(42歳)、ピース・綾部祐二(38歳)、元サッカー選手・武田修宏(49歳)、女性は紫吹淳(47歳)、西川史子(45歳)、モデル・倉本康子(41歳)、フリーアナウンサー・高橋真麻(34歳)である。


 このほぼ40代メンバーで「彼氏がいるのに、ほかのオトコと食事に行くな」とか「オンナだから、おごられて当然と思うな」とか「別れたくせに、彼氏きどりで連絡してくるな」など、それこそ『恋のから騒ぎ』でさんざん議論が尽くされたネタを語る。既視感というか、今さら感が半端ない。

 これだけでは彩りにかけると思ったのだろうか、結婚できない売りしている武田と綾部が、“偶然にも”紫吹を狙っているらしいといった話題が持ち上がった。武田は、紫吹が「靴好き」とにらみ、アピールするためにフランス製の高級靴を新調したそうだ。読みはあたり、紫吹は「それ、どこの靴?」と開口一番聞いてきたそうである。

 一見、有効なアピールに思えるが、よく考えると疑問が浮かんでくる。紫吹が靴好きだからといって、なぜ武田本人が高級靴履く必要があるのだろうか。違いがわかるオトコだと言いたいのかもしれないが、武田が高級靴を履いても、紫吹にメリットはない。以前も書いたことだが、この人のやることは、相変わらず自分中心でズレてるのである。

『女盛りは、賞味期限が切れてから』