サイゾーウーマンカルチャー大人のぺいじ官能作家が語る“最高の娯楽” カルチャー 鷹澤フブキ氏インタビュー 「恋愛とSMプレイは別枠」官能作家・鷹澤フブキ氏が語る、セックス=“最高の娯楽”の意味 2016/04/16 19:00 インタビュー 『Mふたり 官能小説傑作選 恥の性』(角川文庫) “セックス”をテーマの1つに小説を執筆している女性作家たち。彼女たちは男や恋愛、セックスに対して、人よりも強い思い入れ、時に疑問やわだかまりを抱えていることも。小説にして吐き出さずにはいられなかった、女性作家の思いを、過去の恋愛や作品の話とともに聞く。 【第6回】 鷹澤フブキ/『ぼくの楽園(パラダイス)』(角川文庫『Mふたり 官能小説傑作選 恥の性』より) 勤務する会社の終業後、更衣室に忍び込んでは、女子社員の制服の匂いを嗅ぐ行為を楽しんでいる栗原文徳。ある日、いつもと同じように更衣室のドアを開けると、そこには気が強すぎると男性社員から煙たがられている琴海と、栗原が密かに思いを寄せる瑠依子の姿があった。軽蔑の眼差しを向けられながら、栗原は2人に“お仕置き”を受けることになる――。 ――『ぼくの楽園』はどのような構想のもと、執筆された作品なのでしょうか? 鷹澤フブキ氏(以下、鷹澤) 少しSMチックで、M男さんやフェチ嗜好の方向けの作品というのが編集部からのご依頼でした。この作品が掲載された「小説 野性時代」(KADOKAWA)の担当の方とプロットについて打ち合わせた時に、内容的にはあまりハードではなく、フェチな感じでまとめようということになりました。 ――鷹澤さんの細部の描写への情熱の注ぎ方は、“職人芸”と感じます。例えば、ややぽっちゃりとした体つきの女子社員のブラウスについて「第三ボタンと第四ボタンの付け根のあたりがやや伸びている」と書かれていますが、そこに気づく栗原に笑ってしまいました。 鷹澤 「キモい」と思われたらアウトですからね。ギリギリのラインで可愛いか気持ち悪いかが分かれます。どんな変態でも「可愛い」と思わせられないと拒絶反応を起こさせてしまいますから(笑)。あと、私は文章を書くときには絵コンテ手法で書きますね、読者にその絵が浮かぶように。男の人って視覚にこだわるじゃないですか。特にこの作品を書いていた時には、完全に男になりきって書いていたと思います。たぶんこの文章を読んで、女が書いているとは誰も思わない気がします。でも、女性側に立って書くこともできますよ。きっと私は精神的には両性具有なんです(笑)。 123次のページ Amazon 『Mふたり 官能小説傑作選 恥の性(角川文庫)』 関連記事 CA、モデル、クラブママ――女社会のドロドロを見続けた官能作家が語る“女同士”の性「男はバカ」と悟った初体験、不倫同棲、父との確執――官能小説家が明かす「セックスを書く私」「駆け落ち」「熟女パブ」「別居婚」……波瀾万丈の女流官能作家が語るSMの扉を開いた男「一生セックスなしでも3日泣くだけ」官能を描く作家・南綾子、その意外なコンプレックス「セックスによって男を食い殺す女」怪談×エロスの作家・岡部えつが語る“女の恨み”