サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」がママタレを多用する意味 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」3月号 オシャレで自然なライフスタイルで、生々しい夫婦問題にフタをする「nina’s」のお得意芸 2016/03/12 16:00 女性誌速攻レビューnina's 「nina’s」2016年3月号(祥伝社) クリエイティブに憧れ、おしゃれ度の高い、子どもにおかっぱ頭をさせがちなママたちのバイブル「nina’s」(祥伝社)。今号の特集は「暮らしを楽しむ家族のおうち」です。こちら「いかにセンスのいい暮らしをしていることを人々に見せつけるか」を競い合う、「nina’s」の人気企画。 「費用を浮かせるために壁、床、サッシは友達にも手伝ってもらい自分たちで塗りました」「大きな家具は、友人の家具ブランドに注文したものが多いですね。(中略)細かにリクエストして作ってもらいました」と、家づくりで交友関係の広さをアピールするのは定番。前回は「子どものための秘密基地」という、親が作ったら秘密でもなんでもない本末転倒おしゃれ空間がたくさん紹介されていましたが、今回頻出したのは、家の中のブランコ(orハンモック)。オシャレな人の遊び心は大工泣かせです。 そしてなぜかパパから家訓が飛び出すのもこの企画の特徴で、「(家は)教室(クラス)。親子ですけど、子どもたちから学ぶことが多いから、みんなで学び合えればいいな」。「クラス」と「暮らす」をかけてる、まさかのnina’s大喜利が展開! 山田く~ん、クリエイティブパパに座布団……いやヴィンテージクッション(んなモンあるのか?)持ってきて!! <トピックス> ◎特集 暮らしを楽しむ家族のおうち ◎nina’s people vol.49 SHIHO ◎連載 ユキナんち。Special ■「ヨガ」「月」「ローフード」はうっとり女の三大危険キーワード 「nina’s」が実は古き日本の家制度に根幹を置いていることは、この住まい特集をはじめとしたさまざまな企画が物語っています。一家を取り仕切る強い父、優しい母、素直な子どもたち。セックスレス、夫婦間の家事分担、嫁姑問題に育児ノイローゼ……結婚や出産から起こりうる泥臭い問題は、こうした「幸せな家族像」で上手にフタをされる仕組みです。その「幸せな家族像」の流布に欠かせないのが、ママタレントたち。ということで、今回のレビューでは2人のママタレントに注目したいと思います。 まずは2009年に格闘家・秋山成勲と結婚し、11年に女児を出産したモデルのSHIHO。新しいヨガ本を発売するにあたり、現在の幸せな生活とヨガの関係についてたっぷりと語っています。 「ハワイ帰りのゆったりした朝時間が心地よくて。今日も朝早く起きてゆっくり朝ご飯を食べました」と冒頭からかましまくるSHIHO。美しさの秘訣は「お豆やナッツ類、生野菜を摂るようにする」食生活のほか、12年前に始めたヨガ。「続けていると月の満ち欠けと生理の周期が一緒になってきて、呼吸に集中するとハードなことをしても疲れない。生きる上でも呼吸は大事な要素だと気づいたし、感情とリンクしているんだなということがよく分かります。何か必然のようなものを感じることが多くなったり、物事の流れがうまくいくようになったり」。つらつらと美しい言葉が並べられておりますが、その実「なに言ってるかよくわからない」というのが、カヒミ・カリィや一色紗英など「nina’s」ママタレの“うっとり部門”の特徴と言えましょう。 さらに注目すべきは夫・秋山との関係について。「出産後子どもに夢中になりすぎて、旦那さんを思いやれなくなる時期って、ありますよね。2年間の授乳を終え『私も女だったわ』と気づいたとき(笑)、主人が『ずっと俺のこと放置してたでしょ』という感じになっていて(笑)。思えば子育てや仕事で、主人のことが三番目四番目くらいになっていたと思う」。SHIHOはこれを反省し、「スケジュールを極力合わせて、話す時間を持つ努力をして今はとてもいい関係。(中略)あらためて、うちの主人っていい人だなって再確認できていますね」とめでたしめでたし。 12次のページ Amazon nina's(ニナーズ) 2016年 03 月号 [雑誌] 関連記事 一色紗英が「nina’s」10周年記念で、「母になったら普通のことを普通に言っちゃいけない病」を炸裂冷えとり、マクロビ、ツボ押し……「nina’s」のトンデモナチュラルな“2人目妊活”「nina’s」のおうち特集、子どものために秘密基地は作っても妖怪グッズはナシの歪んだ「自由」深刻な相談なのに、答えがポップすぎる「nina’s」の産後クライシス企画「nina’s」入園入学手作りグッズ企画に見る、手作り=母性という強迫観念