サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「nina’s」読者の家には妖怪グッズなし! カルチャー [女性誌速攻レビュー]「nina’s」1月号 「nina’s」のおうち特集、子どものために秘密基地は作っても妖怪グッズはナシの歪んだ「自由」 2015/01/08 21:00 女性誌速攻レビューnina's 「nina’s」2015年1月号(祥伝社) オシャレでクリエイティブな子育ての伝道師・「nina’s」(祥伝社)。数号前から“ナチュラルな暮らし=おばあちゃん”という謎のイメージをにじませてきた同誌ですが、今号はついに「おばあちゃんの知恵袋BOOK」というブックインブックを作っていました。扉ページには「たま」のボーカル並みに短い前髪の女の子が手づくり梅干しの瓶を抱えてニッコリ。「昔から親しまれてきた生活の知恵は、『エコ』『節約』『手軽にできる』といいことづくめ」と、おばあちゃんの知恵袋に漂う隠しきれない貧乏臭さに「エコ」という名のファブリーズをぶっかけています。しかしながら「手軽にできる」と言いながら、「白菜は漬物にして日持ち」「アルミホイルに巻いたさつまいもをたき火に入れる」「大根はちみつで風邪予防」「手前味噌を仕込む」など、手軽どころか手がプルプル震えそうな重さ。さらに“色があせたり黄ばんだりした洋服を紅茶で染めて”“穴があいたら刺繍やパッチワーク”でリサイクル。「縫うということは愛情のある行為」というキャッチに震えるような重さを感じざるを得ません……「nina’s」の“愛情は手間暇に宿る”というこの思想は、2015年もじりじりと読者を締め上げていくことでしょう。 <トピックス> ◎おばあちゃんの知恵袋BOOK ◎特集 おしゃれ家族のおうちと暮らし、拝見! Home Sweet Home…… ◎もりきみちゃんが大好きです。 ■親が想定しうる「自由」 どんな高いブランドの洋服より、自分で仕立てたワンピースのほうが価値がある。さらに「母が(祖母が)娘時代に着ていたものをリメイクした」ものなら尚良し。ファッションに、インテリアに、どれだけ愛情や思想という“タグ”を埋め込むことができるかが「nina’s」で天下取れるかどうかの分かれ道なようです。 と考えると、今号の特集「おしゃれ家族のおうちとくらし、拝見! Home Sweet Home……」には、そんな家族愛あふれるストーリーと手間暇が満載です。デザイナー、日傘作家、フォトグラファーら、「nina’s」が大好きなクリエイティブ職業のパパママが自慢のお宅を披露しています。更新時期に焦って部屋探し、駅からの距離、なんとなくの間取り、なにはさておき家賃で部屋を決めてしまった筆者のような人間が読むと眩し過ぎて目が開けられません。都内通勤がちと辛そうな葉山や逗子の一戸建て、都内の古いマンションを全力リフォーム、子どもとの時間を大切にしたいからアトリエと住居を一緒に……あふれ出るこだわりとセンス。 12次のページ Amazon nina's (ニナーズ) 2015年 01月号 [雑誌] 関連記事 日用品は外国製なのに、七五三は伝統的に! 良妻賢母が愛国と結びつく「nina’s」ママ夫婦のドロドロを「オシャレ」で目くらます、「nina’s」読者の処世術「nina’s」ママの意識の高さと相性のいい、本物のダメパパ鈴木拓「nina’s」に漂う、“手間暇をかけた暮らしこそ幸せのカタチ”という強迫観念「nina's」の時短特集は、丁寧な暮らしをできる環境をアピールする場所