サイゾーウーマンコラム安彦×田房の「出産した女は菩薩ではない」 コラム [連載]安彦麻理絵&田房永子「オンナの絵日記」 「子を殺しちゃいそうになる」のはヤバイ? 安彦×田房の「出産した女は菩薩ではない」 2015/08/10 21:00 安彦麻理絵田房永子安彦麻理絵&田房永子「オンナの絵日記」 そうだ、そうだ、とみんなでうなづきましたよ! ちょうどその時、所沢の第二子出産で保育園退園問題がテレビでよく取り上げられてたから、「第二子が生まれたら、第一子とお母さんは距離を持った方がいいのに、一緒にいさせるって何!?」って。子ども2人抱えて、なんのストレスもなく家事をこなし(むしろ楽しんでいる)、2人ともに同様の愛を注ぎ続けられる、そういうのが「母親」だってことに、偉いオジサンたちの頭の中ではなってるみたいですけど、そんな母親がもし実在したら、そいつはママ界のアスリートですよ! サラブレットですよ、100年に一度の奇跡、ディープインパクトですって! そういう人はめったにいないのに、そういう人が当たり前ってことになってるから、いろんな対策がズレズレになってる。 世の中はもっと、お母さんが子どもを殺す可能性に目を向けるべきだと思うんですよね。24時間ずっと可愛いなんて方が異常で、殺しちゃいそうって思うことがある。それが普通。本当は、働いてても働いてなくても、希望すれば週何回でも自由に保育園に預けられるってシステムになってていいと思うんですけどねー! 実際、ほんとに子どもを殺しちゃう人もいるし、虐待なんてもっともっとあるし、殺しはしないけど飼い慣らして飼い殺す親もいる。なのに、それ対策が目に見えるところにはぜんぜんないですよね。男たちの風俗とかAVとかは「性犯罪の抑止」という理由でそういう恐れがない人でも気軽に会社帰りに利用できるくらいめちゃくちゃに普及してるのに、「母親からの子どもへの暴力抑止」の対策は利用するのがもんのすごいハードル高くないですか。気軽になんか利用できないっスよ! 私自身、子どもに対して今のところストレスや悩みがないんですよ、可愛い、それだけです。だけどそれは、私が「そういう人」なわけじゃなくて、セラピーとかに行って自分自身の心の声を聞いたりすることで、自分への抑圧やストレスを意識的に抜いてるからなんですよ! 眠れなくなったらすぐに精神科行って薬もらいますしね! 自分は親からいじめられながら育ったっていう自覚があって、自分は子どもをいじめたくないって思ったからセラピーとかを受けるようになったんです。だけど私の親みたいな、よかれと思って結果的に子どもをいじめてしまってる親って、別に普通っちゃ普通なんですよ。むしろ、親にいじめられたと自覚してセラピーに通う子ども(私)の方が珍しいですよね。「親が子どもをいじめることはない」っていう大前提で世の中が回っていますから。自分と同じような親を持って、親だけを頼って一緒に育児している人を見ると、いじめッ子に自分の育児を手伝ってもらうって、どんな苦行だよ! って思ってしまいます。 時には殺しかけたり、そんな自分に怯えたり、先にセラピーしないと楽しく子どもと接することができなかったり、そういう人が普通のママだし、普通の人間だと思うんですよね! それに、子育ての苦悩、子への暴走は、その人に猟奇的な指向があるわけじゃなくて、周囲の非協力とか無理解から、追い詰められて起こるものがほとんどだから、周りがなんとかしようとすれば、なんとかなるはずなんですよね! 前のページ1234567次のページ Amazon 『酒とナミダとマリエと赤子 (すくパラセレクション)』 関連記事 「男を甘やかす」と「家事も完璧」女はセット、安彦&田房の「甘やかされ男」問題くすぶっていた感情の正体を見たり!! 安彦麻理絵&田房永子、女の人生分岐点逃げ出したい願望が渦巻く夜、「全てを捨てた!」気分に浸る“ひとり回転寿司”女44歳、生理がこない……絶不調の気分で進む、いざ更年期の旅路へ四十女の“愛されキャラ”小細工の破壊力に考える、四十女の正しい靴選び