サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「steady.」に見る、今のアラサー世代 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「steady.」6月号 「steady.」読者の不安げな表情に見る、アラサー世代の「私たちには何もない」感 2014/05/24 19:00 女性誌速攻レビューsteady. 「steady.」2014年6月号(宝島社) 今月の「steady.」(宝島社)の第一特集は、「私の美人色」。自分に似合う色を知って、魅力的な人になろうという企画です。まずはパーソナルカラーを知ろうということで、チャートや自己診断のためのシートがついており、なかなかの力の入れようです……が、なんだか努力の方向性がズレているような。果たしてこの努力が報われるかは、非常に怪しいです。 次のページからは、読者のみなさんが、タイプ別に洋服やヘア、メイク、アクセサリーなど、実際のアドバイスを元に身に着けるという企画に。出ている方はみなさん本当にどこにでもいそうな普通の女の子。ほかの雑誌にも、読者がモデルとして登場する企画はありますが、だいたいはドヤ顔で自信に満ちているものなのに、「steady.」に出ている読者たちはどこか不安げなので、見ているこちらも心がざわざわ。この「steady.」を覆う不安感の原因はなんのか? 早速今月号も読んでみましょう。 <トピック> ◎カラー診断テストでわかる!私の美人色 ◎涼感3カ月着回し ◎高橋真麻のエブリデイポジティブ ■謎のポエムのトホホな結末 企画自体も、毎号冒険心のないものばかりの「steady.」。しかし今月号は、「涼感3カ月着回し」という「着回し」×「ポエム」の融合という企画がありました。 大手カフェチェーンの中堅社員でもうすぐ30歳のOLと、ニューヨークに転勤していた同僚の元カレとの物語が展開されているのですが、なぜか要所要所にポエムが挿入されているんです。「なにこれ?」と思ったら、なんと安室奈美恵さんの初のバラードベストアルバムとのコラボ企画だったんですね。 昨今、詩的でふんわりとした言葉遣いで、内容があるのかないのかわからないような言葉が世間にあふれていることを、「ポエム化社会」と言います。最初筆者は、この着回し企画を、「ポエム化社会を逆手に取った企画?」と思ってワクワクしていたのです。「steady.」の読者たちの、ぼんやりした日常を肯定するために、着回し企画にポエムを添えたのかと思ったのに、単なるタイアップだったとは。深読み損とでも言うべき、ぼんやりした企画で、最初に感じたあのワクワク感は静かに去っていきました……。 12次のページ Amazon 『Steady.(ステディ)2014年 06月号 [雑誌]』 関連記事 「steady.」がアドバイスする「大人の友達の作り方」、そのヘビーすぎるマナー「steady.」恋愛特集に吉田豪登場、女子によるモテ論争から一歩前進?「夫の肩書き」「出会い方」を省略、「steady.」結婚式企画の淡白さついに言ってしまった! 読者に「そこそこ女」という名称を与えた「steady.」好きな男のために1カ月を5枚のワンピで過ごす、「steady.」の涙ぐましい努力