サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー「steady.」に見る、今のアラサー世代 カルチャー [女性誌速攻レビュー]「steady.」6月号 「steady.」読者の不安げな表情に見る、アラサー世代の「私たちには何もない」感 2014/05/24 19:00 女性誌速攻レビューsteady. 誌面から感じる、無難をよしとする風潮。もしかして「steady.」読者である、今のアラサーって、独自の文化やカリスマが不在なのではないでしょうか。例えば、今のアラフォーには、梨花というカリスマがいますし、30代半ばの人たちは、ギャルという文化を作り出した世代。今の20代前半の子たちは、「LARME」(徳間書店)のようなドリーミーな世界観を追求するなど、その世代世代には独自の文化や象徴があるというのに、アラサーの人たちには、それが見えてこない。言ってしまえば、「なにもかもが無難」という印象しかないのです。「steady.」に限らず、アラサー世代向けの雑誌が、ターゲットを見極めることは至難の業なのかもしれません。 ■マネー企画から高橋真麻まで 毎号「steady.」を読んでいて思うのは、あれもこれもと詰め込み過ぎて、結局何を読めばよいのかわからない……ということ。今月号も、ファッションページ以外に、次のような企画が盛り込まれていました。 「30歳のインナービューティー」「今どき眉の作り方」「素敵なひとつ結び」「ゴルフOL急増中です(はぁと)」「みんなの結婚式(はぁと)リポート」「教えて!お金のコト」「楽しい結婚ライフのススメ」「三十路のOL世渡り術」「アラサーの語り場」「お家でできる簡単イタリアン」「彼も満足(はぁと)基本の料理」「ひとり暮らしのおしゃれインテリア」そしてなぜか唐突に「そうだっ!おしゃれなBBQをしよう!」という企画、ついでに「高橋真麻のエブリデイポジティブ」という新連載が1冊に詰まっているのです。 これを「てんこ盛り」と見るか「散らかっている」と見るか。少なくとも筆者には、気が散ってしょうがないという印象しかありません。例えば、「VERY」(光文社)のように、「自分は妻であり、母である。それはほかの人には代えがたい価値である」という一本筋が通っていれば、散らかっては見えないでしょう。 確かに「VERY」のように、自分の肩書に誇るのは、他人をいらだたせるかもしれませんが、筋が通っているからこそ、読者は安心して読めるのです。けれど「steady.」には、読者の顔がまったく見えず、何に興味があるのか、またないのかさえもあいまいで、見ているとどんどん不安になってしまいます。 それは「steady.」が悪いのではなく、今のアラサー世代を反映しているのでしょう。しかし、こうした迷い続けるアラサー世代が、「結局日本の女の価値は、結婚してるか、していないか」に思想に回収されてしまうのでしょうか……。今後の「steady.」がどう進化していくのか、今後も見守っていこうと思います。 (芦沢芳子) 前のページ12 最終更新:2014/05/24 19:00 Amazon 『Steady.(ステディ)2014年 06月号 [雑誌]』 益若つばさはカリスマだったが(過去形) 関連記事 「steady.」がアドバイスする「大人の友達の作り方」、そのヘビーすぎるマナー「steady.」恋愛特集に吉田豪登場、女子によるモテ論争から一歩前進?「夫の肩書き」「出会い方」を省略、「steady.」結婚式企画の淡白さついに言ってしまった! 読者に「そこそこ女」という名称を与えた「steady.」好きな男のために1カ月を5枚のワンピで過ごす、「steady.」の涙ぐましい努力 次の記事 映画『ワイルド7』DVDプレゼント >