[TVツッコミ道場]

どうして? 『あらびき団』にイケメン大量出演

2009/09/08 21:30
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『あらびき団』(TBS系)公式HP

 今回ツッコませていただくのは、9月2日放送の『あらびき団』(TBS系)。

 ”あらびき団 イケメンパフォーマーSP”と銘打ち、イケメンしか登場しないという。はんにゃやしずる、ライセンスらの若手イケメン芸人ブームに乗っかっていこうと。ナレーションでも「便乗しちゃいます」と公言していたし。

 とはいえ、『あらびき団』のやることだ。「イケメンSP」といっているのにガリガリガリクソンやザコシショウら、おなじみのあらびきスターが、イケメン的な格好や設定のネタを繰り広げ、東野に「ええかげんにせえよ」と言わせるか、メジャーなイケメン芸人として、殿堂入り男前芸人・チュートリアル徳井が、あらびきだから出来る変態ワールド全開のコントをやったり、次長課長の井上がモンハンをただただやるのを映して終わっていくだけとか、「あらびき」ならではの「イケメン芸」が出てくるのだろうなと思っていた。

 しかし、30分、登場したのは芸人や俳優など、いちおうみんなそれなりに「イケメン」な面々。その一方で、ちゃんとした芸が一本もなかったような印象が。顔が超イケメンというわけでもなく、「イケメンか?」というものでもないラインのイケメンがほとんどだったこともまた、なんだかどこで笑うんだろう感を後押ししてしまう。おまけに、メジャーなイケメン芸人としてラストに登場した、「2009年 よしもと男前ランキング1位」のハンサム芸人・ライセンスの藤原。これもまた、一緒に出てきたカナリヤのボンたちの顔は一切映さずに藤原の顔だけを映すという、お得意のカメラワークで笑わせるというネタだったが、ネタ自体印象薄い歌ネタで、後で東野が「藤原出せや!」と忘れてしまうほどの微妙さ。

 毎回嵐のヒット曲のサビを踊ってからツッコむネタや、元ジュノンボーイ(小池徹平と同期らしい)の芸人が紙オムツに三輪車でネタをやり、「パーパラッパーパー、ジュノンボーイです」というキメゼリフなどが醸し出す哀しさなど、今回のひとつひとつのネタは、「あらびき団」らしい感じのものも多い。相方の微妙な顔を抜いたりという「悪意のカメラワーク」も健在。しかし、どうして全体的なまとまりがなくなってしまったのだろう。ダメ臭を感じたのか、東野が序盤にもう、「今なら間に合うよ、通常の『あらびき団』に戻しても」と言っていたし。

 本来20点しかない、他の番組では到底受からないような素材を、カメラワーク(「悪意含み」のときが多々あり)と、時には演者を、時にはスタッフをいじる東野&藤井のトーク(こっちも悪意だらけ)で70点、80点もしくは100点にまでもっていくのが「あらびき団」かと思っている。しかし、「悪意」のみではさすがに間がもたなかったということか。また、相方への「悪意」ではなく、イケメンが芸をしている瞬間に見せたものすごくカッコ悪い瞬間や、ネタ途中で着替えをしていたりする後ろ姿を抜くという、イケメンへの「悪意」が、一組ぐらいあってもよかったかと。イケメンに気を使っちゃったのか?


 結局一番笑ったのは、番組最後に藤井がやった「岩崎宏美の『シンデレラハネムーン』のモノマネをする、コロッケのまね」。かなり秀逸。また見たい。
(太田サトル)

『あらびき団公式パンフレット (単行本(ソフトカバー))』

それなりに「イケメン」って普通ってこと?

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最終更新:2009/12/23 23:09