仁科友里「女のための有名人深読み週報」

太田光代の「もう別れたいんですよ」発言が“偽らざる本音”と思えた理由

2023/05/18 21:00
仁科友里(ライター)

もはや太田光に文句すら言う気力も残っていない

 芸人としては大成した太田だが、夫としては光代社長の合格点に達していない。食事に誘っても断られるなど、「かまってくれない」エピソードを、かつてはテレビでよく披露していた。

 “かまってほしい妻とかまわない夫”というエピソードは、ある意味、テレビウケがいいのではないだろうか。視聴者の中にも“かまわれない妻”は大勢いるはずなので、共感を呼ぶし、「うちだけではない」と安堵感も与えることができるからだ。

 しかし、『さんま御殿』での光代社長はそういうエピソードを語らず、「だって、もう……何にも言ってくれないし、もちろん愛情表現もないし。ありがとうもないし。何にもですよ」「もう疲れました」「思い入れがないわけですよ、私たち。旅行も行かないし、ハワイも行ったことがない。太田がお家が大好きだから。思い出がいっぱいあれば、それを頼りにやっていけると思うんだけど……」と冷静に夫婦関係を分析していた。

 これは見方を変えると、“もはや夫に文句すら言う気力も残っていない”ということであり、光代社長の関心事は太田から別の何かに移ってしまったように感じられる。

 周りを見ていると、女性は相手に文句を言っているうちは離婚しない、本当に離婚するときは、誰にも言わずにスパッと実行する傾向があるように感じるが、太田も文句を言われているうちが華だったのかもしれない。太田には、“一緒にいるんだから、好きってことだ”という昭和のオトコが言いそうな言い訳はせず、大切な妻ときちんと向き合うことをおすすめしたい。




仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2023/05/18 21:00
昭和のオトコには限界がある