サイゾーウーマンコラム日本のアウト皇室史昭和天皇が大量の整髪料を使っていた理由 コラム 【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!! 昭和天皇は大量の整髪料を消費していた? 知られざる天皇家の“みだしなみ事情” 2023/05/06 17:00 堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト) 日本のアウト皇室史 皇后さま御用達の化粧品とは? ――廃れる習慣というものも、伝統重視の皇族の生活にもやはりあるということでしょうね。皇后さまはどんな化粧品などをお使いだったのか、記録はありますか? 堀江 はい。しかし、皇后さまという高い地位の方にしては、ずいぶんと質素でびっくりしたのです。経費でいうと「クリーム5種12個(単価1800円)」というのが基礎化粧品を指しているらしくて、おそらく朝用・夜用の美容液の類も含まれているのだろうと推察します。 ――それにしても、ひとつあたり2000円前後の基礎化粧品や口紅ですか。当時、私の祖母や母でもそれくらいは使っていた気がしますよ。 堀江 口紅は1本当時の価格で1500円。これを1年で3本。ほかには整髪料として、「加美の素(※正確な製品名は加美乃素)」など。加美乃素シリーズは、皇后さまのお気に入りだったようです。昭和後期になると、ハイクラスな化粧品がどんどん登場しましたが、そういうものはお使いにならなかったようです。 対照的な話になりますが、19世紀末のオーストリアのエリザベート皇后は美容に命をかけていたこともあって、化粧品などはほぼすべてが特注品でした。具体的な金額はわかりませんが、それと比べると驚くほど堅実でいらっしゃいますね。 化粧品というものは、化学の研究の進歩とともに、20世紀後半になって飛躍的に品質向上し、値段も一気に下がったのです。エリザベートやマリー・アントワネットは、現代日本のコンビニ化粧品の足元にも及ばないレベルの化粧品しか使えなかったという話があるのですが、エリザベートがウィーン宮廷薬局に特注した基礎化粧品のクリームも、レシピを見ると、バラ水にラノリンや無塩バターをくわえて撹拌(かくはん)したものにすぎず、昭和の皇后さまは値段はリーズナブルでも、確実にそれ以上のクオリティの美容ライフを送っておられたのではないかと思うんですけれどね……。 今回は昭和天皇ご一家の身の回り品について、内廷費のリストから振り返りました。 皇族のリストラ手当は30億円!? 天皇家に代々続く破格の”贈答文化”、その内情 「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! 堀江宏樹氏(以下、堀江) 前...サイゾーウーマン2023.04.08 眞子さまへの金銭援助は小室さんが就職しても続く? 天皇家“個人的出費”の歴史を紐解く 「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! ――先日、ニューヨーク在住の小室...サイゾーウーマン2023.03.25 前のページ12 堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト) 1977年、大阪府生まれ。作家・歴史エッセイスト。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業。日本・世界を問わず歴史のおもしろさを拾い上げる作風で幅広いファン層をもつ。著書に『偉人の年収』(イースト・プレス)、『眠れなくなるほど怖い世界史』(三笠書房)など。最新刊は『日本史 不適切にもほどがある話』(三笠書房)。 記事一覧 X:@horiehiroki 原案監修をつとめるマンガが無料公開中。「La maquilleuse(ラ・マキユーズ)~ヴェルサイユの化粧師~」 最新刊は『本当は怖い江戸徳川史』(三笠書房) 最終更新:2023/05/06 17:00 うちの祖母も加美乃素つかってるわ 関連記事 一晩で10人以上と交わり、射精は月に2回まで……天皇家に伝わる非現実的な「セックス書」とは?悠仁さまはどうなる? 昭和天皇から今上天皇まで授けられた「帝王学」と、秋篠宮家の考える教育の現在「小室さんとの結婚」もはや天皇命令!? 皇族の“婚約破棄”と“再婚”にみる、眞子さまの「正しさ」とは秋篠宮家の教育と経済事情ーー「学習院」離れと筆頭宮家の「厳しい」生活費事情昭和天皇の娘がタバコ屋に!? 夫は年収200万円? 一般人と結婚した皇女6人、知られざる「その後」と日常生活 次の記事 山田涼介、ジャニーズ俳優としての変遷 >