【サイジョの本棚・打ち合わせ編】

SixTONES・松村北斗の愛読書『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』を読んでみた! キーポイントは「父子関係」と「夢への理解」?

2022/04/29 19:00
保田夏子

ジャニーズ&アイドル好きが読むと「身を切られる」!?

ライター・保田 アイドルとしてのいとは、毎月「人気投票」でランク付けされていて、そこから生まれるドラマを、「ドキュメンタリー」としてファンに消費されている。そんな彼女が、自分の父かもしれない映画監督と共に、母のドキュメンタリー製作に関わることで、それまで避けていた「ポルノ女優であり母である赤井霧子」と、自分の関係性を見つめ直すことになる――というストーリー。

編集・B子 歌やダンスだけじゃなく、個人のバックグラウンドまでもが「ドキュメンタリー」として消費されていくなんて、現実のアイドルと同じじゃん! ジャニーズに「人気投票」はないけど、CDの売り上げやYouTubeの再生回数など、最近は特に“数字”が人気の基準みたいになっているから、他人事とは思えないわ。

ライター・保田 女性アイドルと男性アイドルとのグループ交流シーンは、「現実も似たようなものだろうな……」と思わせるリアルな描写で。私やB子のようにアイドル大好きな人が読むと、身を切られるような楽しみが味わえるかも(笑)。

編集・B子 ちょっと待って? そんな作品を現役ジャニーズに勧めて、本当に大丈夫なの!?

ライター・保田 エッセイとフィクションという点で簡単に比較するべきではないけど、『室蘭~』と『女優の娘』は、「父と息子/母と娘」「地方/都会」「昭和/平成(令和)」など、さまざまな構成要素が点対称を成している作品だと思うだよね。だから、読み比べることで、『室蘭~』の新たな面も見つけることもできそうだなと。


編集・B子 なるほど、「書籍のシンメ」みたいな感じ! 一緒に読むことでそれぞれの面白さが引き立つだけでなく、理解も深まりそうだね。