【サイジョの本棚・打ち合わせ編】

SixTONES・松村北斗の愛読書『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』を読んでみた! キーポイントは「父子関係」と「夢への理解」?

2022/04/29 19:00
保田夏子

SixTONES・松村北斗におすすめしたい「あらゆる意味で『逆』」な1冊

編集・B子 ところで、『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』を愛読しているほっくんに1冊おすすめするなら、どんな作品がいいと思う?

ライター・保田 著名人が家族の思い出をつづるほっこり系エッセイは、これまでリリー・フランキーの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社)、島田洋七の『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間文庫)など、数々のヒット作が生まれてる。だけど、ここはあえて、あらゆる意味で「逆」を描いた吉川トリコの小説『女優の娘』(ポプラ社)を推すよ!

編集・B子 「あらゆる意味で『逆』」って、どういうこと?

ライター・保田 『女優の娘』は、母がポルノ出身女優として一世を風靡した赤井霧子であることを隠して、アイドルグループに所属していた娘・斉藤いとの物語。母が死んだことで、自身が「ポルノ女優の娘」だと報道され、一気に注目を集めてしまうんだよね。この母が、お酒に飲まれすぎる女性で、でも、明るくふざけることが大好きで……『室蘭~』の弘史さんと通じるところがあると思って。

編集・B子 なるほど。確かに『室蘭~』は父と息子の話だったけど、『女優の娘』は母と娘の話なので「逆」だね。一方で、いとがアイドルだという点は、ほっくんにも重なりそう。