コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇族で1億円以上支給されても「お金がない」!? サラリーマンと結婚した“プリンセス妻”、特売品と内職の生活だった?

2021/08/07 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

堀江 一時金がらみでは、面白いお話があるのです。戦前の皇族は、庶民の家計の何百倍もの豊かな生活を送るのが普通でした。この連載での梨本宮伊都子妃の回でも触れたように、莫大な「皇族費」が支給され、経済的な特権がかなり与えられていましたから。

 ただ、戦後になると、それらの特権のすべてが消え去ってしまいます。さらに戦後には重い財産税が課され、困窮する皇族も多かったのです。そんな中でさらに「臣籍降下」が行われ、東久邇宮家も皇族の身分を奪われることになりました。

 しかし、ピンチはチャンスとはよくいったもので、この「臣籍降下」によって、旧皇族となった家には家族数に見合った「一時金」が与えられており、その額がなかなかすごいのですね。

――結婚以外にも、一時金が与えられるケースがあるのですね!

堀江 そうなんですよ。47年に成立した「皇室経済法」をもとに、東久邇家の7人には当時のお金で675万円が与えられました。企業物価指数(日本銀行本店ホームページ)の数字をもとにすると、戦後すぐの1万円は、現在の貨幣価値で190万円ほどに相当します。当時の675万円は12億8250万円となり、お一人あたりに単純計算で1億8321万円が支給されたということですね。

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