【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

皇族で1億円以上支給されても「お金がない」!? サラリーマンと結婚した“プリンセス妻”、特売品と内職の生活だった?

2021/08/07 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

”プリンセス妻”、お金をやりくり経験がまったくなかった

――10何年前まで、皇族だった人を部下として雇い、秘書になってもらうなんて、なんだか落ち着かないかも。

堀江 逆に雇う側のほうが緊張しそうですよね(笑)。このように、旧皇族の中でもっとも社会的に成功した一人とされる東久邇さんですが、この記事が書かれた時にはすでに港区麻布永坂町という「都内でも最高級の住宅地」にお屋敷を構えておられました。

 ご近所には大女優の高峰秀子氏や、東洋レーヨン(現・東レ)会長、ブリヂストン社長などの邸宅が立ち並んでいたとのこと。

 戦後、落ちぶれてしまった旧皇族・華族たちが多かった中で、こうした地位を確立なさったのは、とても立派なことです。しかし、東久邇さんの妻として、成子さんは「経済問題」、つまりお金のことで何度もケンカをしたと言っていますね。

――港区の高級住宅地でのセレブライフなのに、お金の問題があった?


堀江 昭和天皇の娘として成子さんは御所で育ち、結婚するまでご自分でお金をやりくりした経験がまったくなかったそうです。成子さんいわく「私は勘定がわからないものですから、そんなに使ったとも思わないうちに、いつのまにか予算がなくなってしまい、主人(=東久邇さん)は私が浪費するといってしかるのです」とか。

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