仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

視聴者は「こじるり型エンタメ」を求めている? 小島瑠璃子の熱愛&破局報道から考える「タレントの好感度」と「テレビ業界」

2021/07/09 12:30
仁科友里(ライター)

今のテレビ業界には、“こじるり型エンタメ”が必要?

 トーク中、「交際する前にセックスをするか?」という話題になり、こじるりは「付き合う前にいたしますね。いたさないと付き合えないですね、逆に」と発言する。こじるりは現在27歳で十分大人だから、そういう判断もあるだろうし、こういう思い切ったことを言えばネットニュースが飛びつくだろう、というサービス精神を発揮したのかもしれない。

 しかし、「付き合う前にいたしますね。いたさないと付き合えないですね、逆に」と明言してしまうことは、原氏とも「交際する前から体の関係があった」と言っているようなもので、結果的に、不倫の疑いを自ら濃くしていないだろうか。

 原氏は20年9月に自身のTwitterで、離婚の時期を同年3月だったとしている。一方、「ポスト」が2人の交際を報じたのは、同年7月。つまり、20年4月以降にこじるりが原氏と交際を始めたのなら、不倫ではないということになる。だが、「付き合う前にいたしますね。いたさないと付き合えないですね、逆に」という発言を真に受けるのなら、こじるりは20年4月より前に「いたした」疑惑も浮上し、不倫の可能性がゼロとは言えなくなる。

 そもそも2人は、原氏の離婚前から接点がある。19年1月放送の『世界ふしぎ発見!』(TBS系)で、『キングダム』の大ファンであるこじるりは原氏と対談を果たし、彼の仕事場も訪問。この収録のときから、原氏が離婚する20年3月の間に「いたした」可能性もあるだろう。それで付き合うと判断したのなら、こじるりは不倫をしていたことになる。真偽はともかくとして、視聴者にその可能性を感じさせれば、「ほら、やっぱり不倫じゃないか!」とイライラ要素をふりまいてしまうだろう。でも、これがこじるり流の“おもてなし”、もしくは“存在意義”というものだと、私は思うのだ。

 これからのテレビは「ねぇ、あなた、なんで叩かれてるかわかってる?」と問い詰めたくなるくらい、面の皮が厚い、もしくは打たれ強い人でないと出られなくなる気もする。正直なところ、こじるりは視聴者からの好感度は高くないだろうし、今後、劇的にイメージアップする可能性も低い。けれど、「良いイメージを持ち、好感度は高いほうがいい」という発想そのものが、「テレビはメディアの王様で、タレントは好感度を上げてCMに出て稼ぐべき」という旧時代的な考え方ではないかと思うのだ。


 商品の宣伝なら、SNS上のインフルエンサーに頼んだほうが費用も安く、効果も出る時代、イライラするけどつい見ちゃう、そしてまたイライラするという“こじるり型のエンタメ”こそ、今のテレビ業界に求められているような気がしてならない。

仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2021/07/09 12:30
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こじるりも“需要”に気付いてそうだよね