「息子に毎日弁当を届けたい」21歳で結婚・出産した女性が、“わが子と会えない”理由
――専門学校を出た後、テレビ業界に就職したんですか?
テレビや映像の仕事は向いてないかなって思って、卒業後、子ども関係の仕事を始めました。ベビーシッターのアルバイト。というのも、卒業半年前に番組宣伝映像制作のアシスタントをしたんですが、高度なことを求められすぎてしまって、私のレベルではついていけなかったんです。
――テレビから子ども関係? ジャンルが、ずいぶん離れていますね。
子どもが好きだったので、ベビーシッター、楽しそうだなって。それに看護師や保育士は、資格を取るのに時間がかかるので。資格のいらないシッターならできるかなと思って、保育園で保育補助の仕事をしたんです。
――それからしばらくは、アルバイトをされたんですか?
同棲して妊娠したので、辞めざるを得ませんでした。通っていた居酒屋で知り合った友達に紹介してもらったサラリーマンがお相手です。第一印象は真面目そうだなと。実際に真面目な人だったんですが。システムエンジニアをやっている26歳。そんな彼とすぐに、お付き合いするようになって、1年後の結婚を視野に入れた同棲ってことで、2004年に1LDKのマンションをS区に買いました。
――出産までの経緯は?
05年の春、安定期に入ってから結婚式を挙げました。出産したのは9月で、私が21歳のときでした。
――とすると、社会で働く経験があまりないまま、お母さんになられたんですね。
そうなんです。だから社会の矛盾とか人間関係の難しさとか、そういった複雑なことは考えないし、精神年齢も低いままでした。家庭という狭い世界ではそれでもよかったりする。それだけ若くて社会経験がないと、夫に従わざるを得ないので、夫婦間に波風が立ちにくいですから。だけど私の場合、夫に対して、主張ばかりが強くなっていきました。