【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さまだけじゃない! 日本中を騒がせた、プリンセスの恋人は「非常識で失礼な男」!? モメにモメた結婚問題の行方

2021/05/29 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

皇室が特別な存在であることを日本中が改めて再認識する機会となった、平成から令和への改元。「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます!

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gettyimagesより

――先日、秋篠宮眞子さまの「婚約者」である小室圭さんの長文手記が公表されましたが、お二人にとって、世論はより厳しいものになった気がします。今回は結婚に苦労したプリンセスのお話を聞かせてください。

堀江宏樹氏(以下、堀江) この連載の中でも何度も触れてきましたが、皇族の“プリンセス”の結婚のハードルは伝統的に、かなり高いのですね。明治以前の皇室には、皇族の人数を制限し、皇族が“貴種”であることを維持するため、皇子・皇女に生まれた方々の大半が結婚できないという厳しいルールがありました。皇族の男性以外と皇女が結婚できた例はさらに珍しく、皇室の長い歴史の中でも、現時点でたった36名です。

――元・乃木坂のメンバーだった深川麻衣さんがNHK大河ドラマ『青天を衝け』で演じて話題になっている、皇女・和宮のケースは? 和宮は第14代将軍・徳川家茂に嫁いだのですよね?

堀江 和宮もその36人の中の1人ですね。でもそれは、和宮の悲しい出生に対して与えられた一種の“ボーナス”なのです。和宮が母君のおなかの中にいる時、父帝・仁孝天皇が崩御なさいました。(異母)兄である孝明天皇を父がわりにして育ったのが和宮という方です。だから、孝明天皇は不幸な妹君に、結婚という権利を与えたといわれます。


 皇族方は天皇による裁可なしに、結婚できないのは江戸末期も現代も同じなのですが、当時は結婚できるかどうかが決まるのも、天皇の御意志次第なのです。そして特に皇女は結婚できないのが普通でした。

――皇女も普通に結婚できるようになったのは、いつ頃ですか?

堀江 明治以降のことですね……。そもそも皇女にふさわしいお相手といえば、高い家柄やステイタス、そしてお人柄の良さ。さらに皇女と適切な年齢差におさまる方以外に考えられず、そうなると、本当に皇女にふさわしいお相手は「この世に、ほとんど存在しない」ことになってしまいます。

 小室圭さんの長文レポートを読んだ世間の反応を見ていると、大半の方が、いまだに小室さんが皇女にふさわしい相手ではないと考えていることがわかります。ちなみに、イギリス国王の座を捨てて、意中のアメリカ人女性ウォレス・シンプソンと結婚することになったエドワード8世のケースでは「世論が真っ二つ」になったそうです。二度の離婚歴と、悪い素行の噂がある平民女性と、イギリス国王の結婚を一部の庶民は歓迎しましたが、上流階級は大反対。それでも国民全体では賛成と反対の比率は半々くらいでした。

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