【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さまだけじゃない! 日本中を騒がせた、プリンセスの恋人は「非常識で失礼な男」!? モメにモメた結婚問題の行方

2021/05/29 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

だらしない服装で初訪問……非常識で失礼な男というイメージ

堀江 一方、大久保さんは合気道など武道に秀でた方で、写真を見るかぎり、健康そうな方です。しかし、堂々と愛人を作ってしまう自分の父のあり方に大久保さんは大いに悩んでおり、死を考えるようにまでなったようです。慧生さんのようなプリンセスのお相手として、自分はふさわしくないという気持ちも強かったようですね。

――大学進学する人もまだ少なかった当時、学習院の学生同士であれば、「身分違い」ということではなさそうですが。

堀江 慧生さんの家族には彼が非常識で、失礼な男性だと思われました。普段から彼の服装はだらしない感じだったようですが、そのままで嵯峨家を初訪問してしまったのです。

 大久保さんが帰った後、彼の服装に関して慧生さんは家族から皮肉を言われてしまった、とクラスメートの女性に明かしています。

――せめて好きな女性のご家族に初めて会う時くらいは、身綺麗にしていこうと思うのが普通でしょうが、そういう発想が彼にはなかったのでしょうか。


堀江 大久保さんは、青森の裕福な実業家の家庭に生まれ育ったお坊ちゃまですが、高校まで武道一筋。当時の学習院の中では浮くほどバンカラな学生とされていました。しかし、実情は人慣れ、世間慣れしていなかったようですね。

 服装に構わないのは、自分に自信がないから。あるいは自分のことが嫌いだから、キレイに装うのは自分なんかにはふさわしくないと考えるという、ねじれた心理があったのかもしれません。

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