サイゾーウーマンカルチャーインタビューカルディでも勃発、ベビーカー論争を考える カルチャー [再掲]インタビュー 「カルディにベビーカーで入れたら……」で論争勃発! 電車内利用も物議醸す“ベビーカー問題”とは? 2021/03/05 16:17 サイゾーウーマン編集部 インタビュー 「子ども連れ専用車両」に反対するワケ そんな現状を、国土交通省の「子育てにやさしい移動に関する協議会」において、ベビーカー利用をしやすい環境づくりに取り組んできた松田妙子氏はどのように見ているのだろうか。 「電車でベビーカーを利用する親たちの多くは、『邪魔になっていないかな』と、肩身の狭い思いをしたり、『申し訳ない』と周囲に謝り倒したりしているものです。ほかの乗客の目が気になるので、『胸に「私が子どもを連れて外出する理由」を貼っておきたい』なんて言うお母さんもいましたね。そんな人たちにとって、大江戸線の『子育て応援スペース』設置のような試みは、もちろんウェルカムです」 また、「子育て応援スペース」という名前がついているものの、「誰でも利用できる」点を、松田氏は「いいなと思っている」という。 「『子ども連れ専用車両をつくってほしい』という人もいますが、私は基本的に反対。『専用』だと、ほかの乗客にハレーションが起こりやすくなりますし、またベビーカー利用者が専用車両以外の車両に乗りにくくなることも考えられます。そうなったら本末転倒ですよね。なので、誰でも乗れる子育て応援スペースや、どこの車両にもあるフリースペースの方が望ましいと思っています」 さらに、「みんなで子どもを育てていく社会」を理想とする松田氏にとって、専用車両で子どもを「隔離」することは、子育てへの理解を妨げる要因になってしまうのではないかと、考えているそうだ。 「『あーでもない、こーでもない』と言いながら子育てする人たちの姿を“見せる”ことが大事だと思っています。赤ちゃんはどうやって泣くのか、子ども連れの外出にはどんな困り事が出てくるのか……そういったことを、子育てをしていない人にも知ってもらいたいですし、それは、これから子どもを育てる世代の育成にもつながるのではないでしょうか。また、電車内であたふたしている子ども連れの人を目にした人が、手助けするといった状況が生まれることも期待できます。それに今後、超高齢社会となる日本では、子どもは『マイノリティ』になっていきます。街の中に、子どもの姿が当たり前のように“ある”という状況でないと、その存在が社会の一員として“勘定”に入れてもらえなくなり、子どもが暮らしにくい環境になっていくのでは。そうならないためにも、やはり『隔離』はよくないと思いますね」 次のページ 混雑時のベビーカー利用者に「非常識」と怒るのではなく…… 前のページ1234次のページ 楽天 メルちゃん おせわだいすきベビーカー 関連記事 交通機関内のベビーカー問題、国が畳まないことを推奨しても現実は厳しい……りゅうちぇるは「夫婦間の育児分担問題」の活路となる? ぺことの子育てが社会に与える影響アカチャンホンポ「お母さんを応援」パッケージ変更――「クレーマー批判」はなぜ起こる?「連絡帳の自作」を保護者に指示――“時代錯誤”な小学校と“よき母になりたい”親はなぜすれ違う?コウケンテツだって、ごはん作りはしんどい!? 料理研究家が「手料理=愛情のバロメーター」説をバッサリ、「家事の理不尽」を説く意味