“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第542回】

古舘伊知郎の問題発言、橋本聖子新会長の余波、権力者たちの会食……「性差別社会日本」の根深い問題

2021/02/23 21:00
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

「女性セブン」3月4日号

 菅義偉首相の長男による総務省接待問題。これまで利害関係を否定してきた局長だが、「週刊文春」(文藝春秋)が物証を突きつけると一転、それを認める――。バレなければ嘘を突き通すつもりだったのか。安倍政権下でも同様だったが、高級官僚の矜持やプライド、国民に対する責務など今や求めるべくもない。あるのは忖度と自己保身だけ、と改めて実感した。

第542回(2/18〜2/22発売号より)
1位「生物学的に解明『どうしても会食したがる男たち』の頭の中をのぞいてみた(「女性セブン」3月4日号)
2位「『小川彩佳は自我が強すぎる』古舘伊知郎の余計な一言」(「女性セブン」3月4日号)
3位「橋本聖子新会長 『息子へキスは忘れます』高橋大輔実母が恩讐エール」(「女性自身」3月9日号)
※「週刊女性」は合併号休み

 確かに不思議に思っていた。権力者(政治家)オヤジたちが、なぜ会食にこだわるのか。特に与党・自民党。菅首相、二階俊博幹事長という大物に始まり、その後も松本純議員、石破茂議員なども複数人数の会食で大きな問題になった。離党や議員辞職するほど問題化している。それでもするんだ、会食――。

 そんな疑問に「女性セブン」が立ち向かっている。まず記事では、人間にとって会食は“集団への帰属意識の確認”“絆を深める本能的な行動”だと解説する。しかも、それは太古の昔からであり、紀元前1万年頃のトルコの遺跡では酒宴の痕跡があり、エジプトでの象形文字にもそれがあると指摘。そして人間の“本音”を引き出すアルコールはコミュニケーション円滑ツールとしてストレス過多時代とともに重宝されていったという。


 ここまではよくわかる。経験則上ね。だが、これは平時でのこと。不思議なのはコロナ禍にあり、会食自粛を訴えている立場の政治家たちが。なぜそれを破るのか、ということだ。一部では彼らの特権意識――自分たちだけは特別な立場だから会食は当然、もしコロナになっても一般人とは違って最高級の医療が優先的に受けられるから大丈夫――が働いているのではないかとも指摘されているが、「セブン」では会食は“依存”なのだと説く。

「人間は言いたいことを言うとストレスが発散され(略)気持ちよくなります。するとその気持ちよさを求めて、飲み会に行くようになります」(脳科学者・塩田久嗣さんのコメント)

 しかも、こうした会食行為が長年続くと、例えば薬物依存などと同じで、我慢することがかなり困難になるというのだ。会食は依存! さらに記事ではこんなくだりも。

総理大臣菅義偉の大罪