サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュー『ザ・ノン』 秋山木工・後編 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』令和にスマホ没収、丸刈りの過酷な修行生活「ボクらの丁稚物語 ~泣き虫同期 4年の記録~ 後編」 2021/02/22 20:19 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 仕事の成長を知ってもらう機会の得難さ 番組の最後で秋山木工が年に一度行う展示会の様子が伝えられ、佐藤、加藤、内藤の家族が秋山木工を訪れ、はにかむ本人たちとうれしげな家族たちが印象的だった。 学生時代は入学式や参観日など、家族が立ち会えるさまざまな行事が存在し、その都度自分の成長を家族に見せることができる。これは本人だけでなく、見る側の家族にとっても張り合いのあることだったのではないかと思う。 一方、大人になればこういった節目はほぼなくなってしまう。家族に仕事を知ってもらう場所として展示会を設けるとは、秋山社長の計らいは粋だなと思った。大人になってからはなかなか得難い、本人にも家族にも忘れられない1日になったのではないだろうか。 こういった会社が増えてくれればとも思ったが、なにもこういったイベントに限らなくてもいいだろう。仕事でこんなことがあった、と話したり、聞ける機会や人間関係があれば、仕事に張り合いを持ちやすくなるのではないだろうか。 しかし現実は、仕事の話となるとどうしても「愚痴」などの形をとりがちだ。こんなことをやり遂げた、みたいに話すと自慢、マウンティングととられるから避けよう、という日本人の奥ゆかしさが根底にあるのかもしれない。 一方、SNSは、実際に顔を合わせず、かつ、匿名の人間関係で話すこともできるため、仕事の話をする場所としては敷居が低い傾向がある。しかしこれもSNSによって文化が異なり、facebook、インスタグラムは「キラキラさせる」一方、ツイッターは真逆で「労働は地獄だ」と悪しく言うのが「お作法」状態になっているように思う。 こういったことが「そのSNSにのっとった作法、振る舞い」だとわかっている大人ならともかく、あまり免疫のない若い世代がその価値観に染まってしまい、必要以上にキラキラしないといけないと焦ったり、必要以上に厭世的になるのは社会の損失のように思う。 そう考えると、秋山木工の若い世代にスマホにうつつを抜かさせず、一方で展示会という場を設け、成長を身近な人に披露する機会を作る、というのは、相当過酷ではあるが、一つのバランスのようにも思った。 次のページ 技能五輪を目指す「職人中の職人」の共通点 前のページ123次のページ 楽天 一流を育てる 関連記事 『ザ・ノンフィクション』スマホ没収、丸刈りの過酷な修行生活「ボクらの丁稚物語 ~泣き虫同期 4年の記録~ 前編」『ザ・ノンフィクション』日本最高齢ストリッパーとファンたちの日々「私が踊り続けるわけ ~53歳のストリッパー物語~」『ザ・ノンフィクション』うつ病を抱える夫、支える妻の生活「シフォンケーキを売るふたり ~リヤカーを引く夫と妻の10年~」『ザ・ノンフィクション』「親に悪い」が浮かばない子ども「『おじさん、ありがとう』~ショウとタクマと熱血和尚が遺したもの~」『ザ・ノンフィクション』女たちの献身を当然として受け取る”息子“「母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~」