サイゾーウーマン芸能テレビドラマレビュープロ野球に固執する野球少年の両親 芸能 『ザ・ノンフィクション』レビュー 『ザ・ノンフィクション』プロ野球に固執する野球少年の両親「母さん、もう一度 闘うよ ~高校中退…息子たちの再起~ 2021/01/25 20:00 石徹白未亜(ライター) 『ザ・ノンフィクション』レビュー 進路は一つではない、と示すのも大人の役割 恭平自身が「プロ野球しかない!」というモードになってしまうのは、若いせいもありしょうがないかもしれない。しかし、恭平の両親も「プロ野球だ!」と一心になっていることが気がかりだ。進路は何も一つではない、と示すのも大人の役割ではないだろうか。 野球に限らずスポーツをしてきた人を、“脳筋”といった言葉で小バカにする人もいる。しかし、スポーツでもなんでも一定の成果を上げた人というのは、「成果の出る努力の仕方」を知っている人であり、そのやり方は、ほかにも応用が利くのではないだろうか。 恭平親子が「野球をもっと続けたい(続けてほしい)」ならいいが、「野球しかない」と思っているのなら、それは違うように思う。恭平はまだ18歳。その年なら、なれるものはまだいくらでもある。恭平がプロ野球にこだわり続けるのはもったいないことに思えた。 「やんちゃ」で言い換えて見落としてるもの また、番組を見ていて気になったのは、成覇がスカイホークスでチームメイトの携帯電話をレンジにかけ壊した、というエピソードだ。成覇にしてみたら、おそらく「絶対ウケる」と思っての行為だろうが、全く笑えないどころか不愉快だった。番組はこのエピソードを「やんちゃ」という言葉を使って伝えていたが、こういった被害者のいるまったく笑えない行動を「やんちゃ」という言葉で片づける風潮もよくない。 こういった男子の行動を笑う人というのは、その行動が面白いからではなく、その男子の権力に忖度していたり、「わかってないやつ」扱いされることを恐れていたり、もしくは「そういう悪いことを笑える自分は世間のルールにとらわれてなくてカッコイイ」と自分に酔った振る舞いとして笑っているだけのように思う。 前のページ123 石徹白未亜(ライター) 専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。 記事一覧 X:@zPvDKtu9XhnyIvl いとしろ堂 最終更新:2021/01/25 20:33 楽天 【特典】プロ野球 ファミスタ 2020(【期間限定】ダウンロード番号) eスポーツのほうでプロになるってのはどうかしら? 関連記事 『ザ・ノンフィクション』うつ病を抱える夫、支える妻の生活「シフォンケーキを売るふたり ~リヤカーを引く夫と妻の10年~」『ザ・ノンフィクション』2020年ベスト・セレクションレビュー「お父さんと13人の子ども 」「シングルマザーの大家族 ~パパが遺してくれたもの~」ほか『ザ・ノンフィクション』「親に悪い」が浮かばない子ども「『おじさん、ありがとう』~ショウとタクマと熱血和尚が遺したもの~」『ザ・ノンフィクション』女たちの献身を当然として受け取る”息子“「母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~」『ザ・ノンフィクション』警察沙汰を起こす小学生の実像とは「悪ガキとひとつ屋根の下で ~夢の力を信じた10年の物語~」 次の記事 亀梨主演ドラマが「トラウマレベル」!? >